エジプトで発掘調査を行っていた金沢大の河合望教授(考古学)らの調査隊は13日、カイロ近郊のサッカラ遺跡で、カタコンベと呼ばれる集団墓地やエジプトとローマの文化を融合した女神像を発見したと発表した。形状や遺物からローマ支配期だった1~2世紀のものと推定される。
河合教授によると、カタコンベは日干しれんがの天井に覆われた幅約1・5メートル、長さ約9メートルの下り階段と幅約2・5メートル、奥行き約15メートルの通廊両側に五つの側室が付いた岩窟墓で構成されていた。
入り口から2体のライオン像が出土したほか、エジプトのイシス女神とギリシャのアフロディーテ女神を習合させた像などが見つかり、数十体のミイラを含めた遺体が安置されていた。
ローマ支配期のカタコンベがサッカラ遺跡で見つかったのは初めて。河合教授は「古代エジプトの文化と古代ギリシャ・ローマの文化が融合する貴重な史料として活用したい」と話している。