【北京=三塚聖平、香港=藤本欣也】中国外務省の耿(こう)爽(そう)報道官は13日の記者会見で、香港で続く反政府の抗議デモについて「絶え間ない大規模な暴力や法に反する行いにより、香港は極めて危険な状況にある」との見方を示し、改めて警戒感をあらわにした。
一方、香港政府は13日、抗議デモを受け、香港全域の幼稚園や小中学校を14日に全て休校すると発表した。デモが本格化した6月以降、全校休校は初めて。
12日には香港中文大や香港城市大などで警官隊とデモ隊が激しく衝突。警察当局が同日撃った催涙弾は計1567発、ゴム弾は計1312発に上った。14歳から50歳までの142人を拘束したという。
中国政府で香港政策を担当する香港マカオ事務弁公室の報道官は12日発表の談話で、香港で抗議デモを批判した男性が市民と口論になり、何者かに火を付けられたことについて、「暴徒の行為は道義上許されない」と非難している。
談話はその上で、「香港政府や警察、司法機関がより強力で果敢で効果的な行動をとり、違法な犯罪行為を厳罰に処する」ことへの支持を表明。より強硬な措置で香港の抗議デモ活動を取り締まるよう求めた。
同弁公室の張暁明主任は、国家の分裂行為などを禁じる「国家安全条例」の早期制定が必要だとする見解を9日に表明している。同条例の制定は抗議デモの押さえ込みに効果があるとみられており、張氏は「最優先の問題で差し迫った任務だ」と強調した。ただ、同条例の制定を急げば、抗議活動がさらに激化する恐れがある。
中国政府の香港出先機関、香港連絡弁公室は12日、抗議デモについて「法の許せるラインを越え、テロリズムの深みに向かいつつある」との声明を出した。