【カイロ=佐藤貴生】イスラエル軍とパレスチナ自治区ガザの過激派「イスラム聖戦」との軍事衝突は13日も続いた。カタールの衛星テレビ局アルジャジーラによると、12日の交戦開始以降、パレスチナ人17人が死亡し、ここ数カ月で最悪の事態となっている。
イランの支援を受けているとされるイスラム聖戦は12日、200発以上のロケット弾をイスラエル側に発射。同国軍は防空システム「アイアンドーム」で大半を撃墜したとしている。イスラエルのネタニヤフ首相は12日夜、軍高官らと対策を協議した。
12日の戦闘は、イスラエル軍がイスラム聖戦のバハ・アブアタ司令官を軍事攻撃により殺害したのが発端。シリアの首都ダマスカスにある同組織の別の幹部宅も空爆された。イスラエル軍はイスラム聖戦が近く複数の攻撃を行う準備を進めていたとみており、関連施設を集中的に攻撃しているもようだ。
ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマスは12日、イスラム聖戦とともにイスラエルに報復すると表明したが、13日に攻撃を停止したとの観測が流れた。国連やエジプトが事態収拾のため調停を進めている。