林芳正官房長官は24日の記者会見で、石破茂首相と中国の王毅外相の21日の面会を巡る中国外務省の発表内容に事実と異なる記述があるとして「非常に遺憾だ」と述べ、中国側に抗議しただちに削除するよう申し入れたと明らかにした。中国外務省の発表では、石破首相が「中国側が詳しく説明した立場を尊重する」趣旨の発言をしたとされたが、日本外務省は22日夜に「そのような発言の事実はない」と発表していた。
一方、中国外務省の郭嘉昆副報道局長は24日の記者会見で日本側の抗議についての説明を避けた。「国家間の交流において互いの立場を尊重することは正常なことではないだろうか。私の理解では、中日間の今回の重要かつ有益な面会はこうした精神をまさに体現していた」と述べるにとどめた。明確な反発を避けて収拾を図る意図があるとみられる。【鈴木悟、北京・河津啓介】
