ミャンマー大地震:死者1600人超、救助活動は難航

ミャンマー中部を襲ったマグニチュード(M)6.8の地震。28日の発生から一夜明けた29日、国軍は死者数が1644人に達したと発表しました。負傷者も3408人に上り、今もなお139人の行方が分かっていません。甚大な被害を受けたマンダレーをはじめ、ネピドー、ザガイン地域など広範囲で家屋や宗教施設、学校が倒壊。被災地では懸命の救助活動が続けられていますが、困難な状況が続いています。

混乱を極める救助現場:内戦と道路損傷が追い打ち

この未曾有の大地震に追い打ちをかけるように、ミャンマー国内の複雑な情勢が救助活動を阻んでいます。国軍と抵抗勢力による内戦の影響で、一部地域では救助隊のアクセスが困難な状況に。道路の損傷も激しく、被災地への物資輸送も難航しています。マンダレーの救助隊幹部は「状況は非常に悪い」と深刻な表情で語りました。

ミャンマーのマンダレーで、倒壊した建物の捜索活動を行う救助隊ミャンマーのマンダレーで、倒壊した建物の捜索活動を行う救助隊

国際社会の支援表明:中国、ロシア、米国などが援助へ

この悲劇的な状況を受け、国際社会はミャンマーへの支援を表明しています。中国とロシアは既に援助隊を派遣。米国やインドなども支援の用意を進めています。国際的な協力が、一刻も早い被災地の復興につながることが期待されます。

日本人2人も負傷:在ミャンマー日本大使館が確認

在ミャンマー日本大使館によると、マンダレー在住の日本人2人が地震で負傷し、病院で治療を受けたとのことです。幸いにも軽傷とみられていますが、現地在住の日本人コミュニティにも不安が広がっています。

震源地周辺は壊滅状態:家屋、宗教施設、学校が倒壊

震源地に近いマンダレーや周辺地域では、少なくとも約1500の家屋、約1000の宗教施設、約60の学校が倒壊しました。独立系メディアは、がれきの下に多数の安否不明者がいると報じており、被害の全容把握は依然として困難な状況です。

ミャンマー地震の震源地ミャンマー地震の震源地

タイでも地震の影響:建設中のビルが崩壊、死者8名

ミャンマーの地震は隣国タイにも影響を及ぼしました。首都バンコクでは建設中の高層ビルが崩壊し、8人が死亡、約80人の作業員が行方不明となっています。懸命の救助活動が続けられていますが、二次災害の危険も懸念されています。

ミャンマー地震は、自然災害の恐ろしさと同時に、人道危機の深刻さを改めて浮き彫りにしました。一日も早い復興と、被災された方々への支援が強く求められています。