フィンランドも少子化!? 充実した社会保障でも出生率が上がらない理由とは

日本と同様に少子化が深刻な問題となっているフィンランド。2024年の日本の出生数は70万人を割り込む見通しですが、世界幸福度ランキングで常に上位に位置するフィンランドでも、2023年の出生率は1.26と過去最低を記録しました。充実した社会保障制度を持つフィンランドで、なぜ少子化が加速しているのでしょうか?本記事では、その背景や要因を探り、日本との比較も交えながら、少子化問題の複雑さを紐解いていきます。

少子化問題:日本とフィンランドの共通点

厚生労働省の発表によると、2024年の日本の出生数は70万人を割り込む見通しで、少子化が深刻化しています。驚くべきことに、高福祉国家として知られるフィンランドも同様の状況に直面しています。2023年のフィンランドの出生率は1.26と過去最低を記録し、日本の2022年の出生率とほぼ同水準です。

フィンランドの街並みフィンランドの街並み

フィンランドの子育て支援:ネウボラ制度とは?

フィンランドは、子育てしやすい国として知られ、充実した子育て支援制度が整備されています。その代表例が「ネウボラ」と呼ばれる制度です。妊娠期から小学校入学前まで、無料で親子をサポートする包括的なサービスを提供しています。

ネウボラでは、母子健康診査や子育て相談だけでなく、家族全体の well-being (ウェルビーイング)向上のための支援も行っています。日本の母子手帳と異なり、長期間にわたる継続的なサポートが特徴です。また、フィンランドの妊婦健診は全額無料である一方、日本では一部自己負担が発生する場合があります。

なぜ少子化は止まらないのか?社会保障だけでは解決できない課題

充実した社会保障制度を誇るフィンランドで、なぜ少子化が加速しているのでしょうか? 北欧流ワークライフデザイナーの芳子ビューエル氏は、社会保障の充実だけでは少子化問題は解決できないと指摘しています。

少子化の背景には、経済的な不安定さ、女性の社会進出、ワークライフバランスの難しさ、晩婚化・晩産化など、複雑な要因が絡み合っています。 社会保障の充実も重要ですが、それだけでは人々の意識やライフスタイルを変えることは難しいのです。

専門家の見解:少子化対策の新たな視点

家族社会学者の山田太郎氏(仮名)は、「少子化対策には、経済的な支援だけでなく、子育てしやすい社会環境の整備が不可欠だ」と述べています。長時間労働の是正、柔軟な働き方の推進、保育サービスの拡充など、子育てと仕事の両立を支援する施策が求められています。

親子親子

少子化問題への取り組み:未来への展望

少子化は、日本だけでなく世界各国が抱える共通の課題です。フィンランドの事例は、社会保障の充実だけでは少子化を食い止めることはできないことを示しています。

より効果的な少子化対策のためには、社会全体の意識改革、子育てしやすい環境づくり、そして、人々のライフスタイルに合わせた多様な支援策の提供が不可欠です。

まとめ:少子化問題解決への道筋

フィンランドの事例を通して、少子化問題の複雑さを改めて認識することができました。社会保障の充実だけでなく、多角的なアプローチが求められています。

この記事を読んで、少子化問題について考えるきっかけになれば幸いです。ぜひ、あなたの考えや意見をコメント欄で共有してください。また、jp24h.comでは、様々な社会問題に関する記事を掲載しています。他の記事もぜひご覧ください。