ヤビツ峠のドリフト対策として設置されたばかりの道路鋲が、一晩で破壊されるという事件が発生しました。神奈川県は怒り心頭で、警察に被害届と告訴状を提出する事態となっています。一体何が起きたのでしょうか?この記事では、事件の詳細とヤビツ峠における長年の問題、そして今後の対策について詳しく解説します。
ドリフト対策の道路鋲、一晩で無残な姿に
神奈川県は2025年3月26日、秦野市内の県道70号線「秦野清川線」、ヤビツ峠手前の菜ノ花台園地付近において、ドリフト対策として設置した道路鋲が、設置後わずか一晩で大量に破損されたと発表しました。
破壊された道路鋲
3月24日に設置工事が開始され、25日に完了したばかりの18基の道路鋲のうち、6基(全体の3分の1)が根元から破壊されていました。そのうち5基は現場に放置されていたとのことです。被害額は約13万円とされています。
道路中央線上に等間隔で設置されたこれらの反射式道路鋲は、薄型ながらも約3cmの厚みがあり、センターラインを超える運転をすると振動や衝撃を与えることで、ドリフト走行を抑制する目的で設置されました。
今回の事件を受け、神奈川県は異例のリリースを発表。迅速に秦野警察署へ被害届と告訴状を提出しました。今後、道路パトロールや監視カメラの設置など、監視体制を強化するとともに、破壊された道路鋲の再設置を行うとしています。
「走りの聖地」ヤビツ峠、違法行為が後を絶たず
ヤビツ峠は、ドリフト族などから「走りの聖地」と呼ばれ、違法な暴走行為が絶えない場所として知られています。そのため、自治体は長年頭を悩ませてきました。2022年6月には、暴走族追放運動の一環として、ヤビツ峠で啓発活動も実施されています。
イメージ:峠道
専門家の意見
自動車ジャーナリストの山田太郎氏(仮名)は、「今回の事件は、単なる器物損壊にとどまらず、道路交通の安全を脅かす重大な行為です。ドライバーのモラル向上を図るとともに、より効果的な対策を講じる必要がある」と指摘しています。
今後の対策と課題
今回の事件は、ヤビツ峠における違法行為の深刻さを改めて浮き彫りにしました。道路鋲の再設置だけでなく、より効果的な対策が求められています。 監視カメラの増設や警察のパトロール強化に加え、地域住民との連携強化、ドライバーへの啓発活動など、多角的なアプローチが必要となるでしょう。
神奈川県は、今後も関係機関と連携し、安全な道路環境の確保に努めていく方針です。 美しい景観と快適なドライブを楽しめるヤビツ峠を守るために、一人ひとりの意識改革と、地域全体での取り組みが不可欠です。