みちのく記念病院で起きた患者間の殺人隠蔽事件。その衝撃は未だ冷めやらず、精神科病院における医療の在り方が改めて問われています。今回は、この事件を契機に、精神科病院で繰り返されてきた問題点、そして私たちが知るべき現実について深く掘り下げていきます。
繰り返される悲劇:過去の事件から学ぶべきこと
みちのく記念病院の事件
みちのく記念病院の事件は、決して孤立したものではありません。精神医療の不正に詳しい米田倫康氏(『精神医療ビジネスの闇』著者)は、2008年の貝塚中央病院の事件を例に挙げ、精神科病院における問題の根深さを指摘します。この事件では、違法な身体拘束によって患者が死亡。病院側は隠蔽工作を行い、看護師だけが有罪判決を受け、院長は不起訴処分となりました。米田氏は、このような事件が放置されてきたことが、みちのく記念病院の事件につながったと警鐘を鳴らしています。責任の所在を曖昧にすることなく、過去の事例から真摯に学ぶ必要があるのではないでしょうか。
高まる懸念:「死亡退院」という現実
精神科病院における「死亡退院率」の高さも深刻な問題です。NHKの特集番組「ルポ 死亡退院 精神医療・闇の実態」で取り上げられた滝山病院(現・希望の丘八王子病院)では、死亡退院率が異常に高い数値を示していました。東京都の公表によると、都内の精神科病院の平均死亡退院率は5.9%ですが、滝山病院は2019年には100%、その後も高い数値を記録しています。
死亡退院の背景にあるもの
精神科病院での死亡退院
厚生労働省の調査によると、精神科病院からの死亡退院数は依然として多く、その中には入院期間が短いケースも含まれています。向精神薬の副作用、身体拘束による血栓、褥瘡の悪化など、様々な要因が考えられます。関東地方の精神科病院の元職員は、適切なケアが行われていれば多くの患者の命は助かったはずだと証言しています。医療倫理の徹底、そして患者一人ひとりの尊厳を守る医療体制の構築が急務です。
今、私たちにできること
精神科病院を取り巻く問題は複雑で、解決には多角的なアプローチが必要です。医療関係者、行政、そして私たち市民一人ひとりが現状を認識し、より良い未来を目指して行動していくことが重要です。透明性の確保、適切な医療体制の整備、そして患者とその家族への支援。これらの実現に向けて、共に考え、行動していくことが求められています。