キルト作家として40年近くものキャリアを積む三浦百恵さん。その最新作が、2025年3月24日から29日にかけて開催された「鷲沢玲子の『キルトフェスタ2025』」で発表され、大きな話題を呼んでいます。今回は、百恵さんの新作キルトの魅力と、その背後にある温かい物語に迫ります。
デンマーク伝統技法と優しい色合いのハーモニー
新作『記憶のかけら』は、水色を基調とした大きな花柄に、デンマークの伝統技法である白糸のヘデボ刺繍が中央に施された、優美なタペストリーです。外枠を彩るバラ柄、そして全体を包み込むパステルカラーが、見る者の心を穏やかに癒してくれます。
三浦百恵さんの新作キルト「記憶のかけら」
恩師・鷲沢玲子さんも絶賛する才能
日本を代表するパッチワークキルト作家であり、百恵さんの恩師でもある鷲沢玲子さんは、以前から彼女の才能を高く評価しています。「目立ちたい」という気持ちが前面に出がちなキルト作品が多い中、百恵さんの作品は「これ見よがしなところが一切なく、とても優しい」と評しています。(婦人公論 ’19年11月12日号より)。 今回の新作にも、その優しさと、時折見せる個性的な配色の妙が存分に発揮されています。
キルトに込められた「記憶のかけら」
百恵さん自身は、展示品を紹介する図録の中で、新作への想いを綴っています。「ヘデボ刺繍をたくさん取り入れた、表情のあるキルトを作りたいと思いました。布と刺繍糸の色、静と動を感じる布の取り合わせの妙でしょうか。不思議とどこか懐かしさを感じるキルトになりました」という言葉からは、作品に込められた深い愛情と、創作への真摯な姿勢が伝わってきます。
紀子さまからのサプライズ
会場には、鷲沢さんへの祝花に加え、贈り主不明の花束が飾られていました。実はこの花束、紀子さまからのお祝いだったそうです。会場に届けられたピンクや黄色の花々、そして中央に配置された濃いピンクと白のチューリップは、百恵さんの作品への祝福を表しているかのようでした。紀子さまもまた、図録で百恵さんのタペストリーをご覧になっていたとのことです。
キルト展の様子
伝統と個性が融合した、新たな境地
40年近くもの間、キルト制作に情熱を注いできた三浦百恵さん。今回の新作『記憶のかけら』は、デンマークの伝統技法と、彼女独自の感性が融合した、まさに集大成と言えるでしょう。これからも、彼女の創作活動から目が離せません。