天皇陛下が即位を宣明された「即位の礼」の中心儀式「即位礼正殿の儀」に伴い、10月22、23両日に交通規制を実施した結果、全体の交通量は大幅に抑制されたものの、平日だった23日には一般道で通常の約2倍の渋滞が発生したことが分かった。首都高速道路が閉鎖されたため、一般道に車が集中したためとみられる。規制の周知が行き渡らずに当惑するドライバーもいたといい、同様に大規模規制が行われる来年の東京五輪・パラリンピックに向けて、改めて情報発信の課題が浮き彫りになった。
儀式には191カ国・機関などから要人が参加した。警護などの観点から、警視庁は2日間にわたり首都高の一部や皇居周辺の一般道を通行止めにし都心への車の乗り入れを制限。1カ月以上前からサイトなどで周知したほか、運送業界などへ都心への乗り入れを控えるよう要請した。
その結果、22日は祝日となった影響もあり、都心部の交通量が2週間前に比べて50%減少した。警視庁幹部は「五輪に向けたシミュレーションと捉えれば、一定の効果が確認された。周知が奏功した」と話す。
しかし、一部ではトラブルも発生した。警備上、どの区間に、いつ規制をかけるかの詳細な情報を明らかにすることができなかったことが一因とみられる。
コンビニエンスストア大手ローソンの担当者は「急な規制がかかり納品が遅れた」とする。トラックが規制区域内の配達先までたどり着けないという別のケースもあった。首都高閉鎖を受け、23日は一部の一般道が混雑する事態に。乗客からクレームを受けたタクシーの男性運転手(65)は「ドライバーが規制を知っていても客側の理解を得られなければ仕方ない」とこぼした。