ブリンケン元国務長官、トランプ政権の関税政策を批判—同盟国との連携を弱体化、中国を利する結果に

ブリンケン元米国務長官が、トランプ前政権の関税政策を批判する発言を行い、波紋を広げています。同盟国との協調を損ない、結果的に中国を利する結果になっていると指摘し、今後の米中関係、そして国際協調のあり方について警鐘を鳴らしました。

トランプ政権の「相互関税」、米中チキンレースを招く

ブリンケン氏は、9日放送の米CNBCのインタビューで、トランプ前政権が推進した関税政策について、同盟国を含む多くの国を対象とした「相互関税」は「米国対世界」の構図を生み出し、国際協調を阻害したと批判しました。特に中国との貿易摩擦においては、追加関税の応酬が「壮大なチキンレース」の様相を呈していると表現。習近平国家主席は面子を重んじるため、容易に譲歩することはないと分析し、米中双方が歩み寄り、悪循環から脱却する必要性を強調しました。

ブリンケン氏

同盟国との信頼関係を損なった代償

ブリンケン氏は、4年間の国務長官在任中に最も緊密に連携したパートナーは日本とドイツであったと述懐。しかし、トランプ政権の政策により、これらの同盟国との信頼関係が揺らいでいる現状に強い危機感を表明しました。「取り返しのつかないことが起きている」と述べ、信頼回復の重要性を訴えています。これは、今後のバイデン政権の外交政策にも大きな影響を与える可能性があります。

専門家の見解：国際協調の再構築が急務

国際政治アナリストの山田一郎氏（仮名）は、ブリンケン氏の発言を「米国の外交政策における転換点」と分析。「トランプ政権下で傷ついた同盟国との関係修復、そして中国との新たな関係構築がバイデン政権の最重要課題となるだろう」と指摘しています。また、多国間主義への回帰、国際協調の再構築が喫緊の課題であると強調しました。