JAの闇:准組合員制度が農協を蝕むのか?

JA(農業協同組合)は、本来農家の協同組織であるはずなのに、近年は「不正販売」や「自爆営業」といった問題が取り沙汰されています。一体何が起きているのでしょうか?元日本農業新聞記者の徹底取材に基づいた書籍『農協の闇』から、JAの准組合員制度に焦点を当て、その光と影を探っていきます。

准組合員制度とは?その功罪

JAの特徴の一つに、農家以外でも組合員になれる「准組合員制度」があります。地域住民もJAのサービスを利用できるメリットがある一方で、この制度が思わぬ問題を引き起こしている可能性があるのです。

准組合員の増加と正准逆転現象

戦後間もない頃は、正組合員(農家)が大多数を占めていましたが、都市化の進展とともに農村部にも非農家が住むようになり、准組合員が増加しました。JA側も金融事業の拡大を目指し、積極的に准組合員を勧誘した経緯があります。

その結果、2020年度には、全国1040万人の組合員のうち、准組合員が630万人、正組合員が410万人と、逆転現象が起きています。農林水産省の「総合農協統計」によると、この傾向は2009年度から続いているとのことです。

JAの組合員数の推移JAの組合員数の推移

准組合員制度の問題点

准組合員制度自体は、地域社会への貢献という面ではプラスに働いていると言えるでしょう。しかし、准組合員の増加によって、JA本来の目的である農業支援がおろそかになっているのではないかという懸念の声も上がっています。

例えば、JAの共済(保険)や信用(銀行)事業のノルマ達成圧力が、職員による不正販売につながっているケースも報告されています。准組合員もそのターゲットとなり、本来必要のない商品を勧められるといった被害も出ているのです。「地域金融機関」としての役割を担うJAは、組合員保護の観点からも、コンプライアンス体制の強化が急務と言えるでしょう。

JAの未来を考える

准組合員制度は、地域社会との連携を深める上で重要な役割を果たしています。しかし、その一方で、JA本来の農業支援という役割とのバランスをどう取っていくかが課題となっています。

食と農の未来を守るためにも、JAは組合員の声に真摯に耳を傾け、持続可能な組織運営を目指していく必要があるのではないでしょうか。

専門家A氏(農業経済学者)は、「JAは地域経済の活性化に重要な役割を担っている。しかし、准組合員制度の運用には、正組合員の利益を損なわないよう十分な配慮が必要だ」と指摘しています。

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