【バンコク=田中一世】河野太郎防衛相は17日午前(日本時間同日午後)、タイのバンコクで、韓国の鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相と会談した。韓国が破棄を日本に通告した軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「賢明な対応を求めたい」と再考を求めたが、鄭氏は日本が対韓輸出管理を厳格化したため協定終了を決めるしかなかったと、韓国政府の従来の立場を繰り返すにとどまった。
両氏は北朝鮮対応をめぐる日韓、日米韓の防衛当局間の意思疎通を継続させる方針は確認した。日韓両国の防衛相の公式会談は昨年10月以来、1年1カ月ぶり。同協定の失効は23日午前0時に迫っている。
会談の冒頭、鄭氏は「最近はさまざまな課題のもとで関係が行き詰まっていることは非常に残念だ。防衛協力の発展のためにともに努力したい」と述べた。河野氏は、北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返していることに触れて「東アジアの安全保障環境が大変厳しい状況にある中で、日韓米の連携は極めて重要だ。北朝鮮情勢、日韓の防衛協力、交流に関し、率直に意見交換したい」と語った。