氷河期世代の苦難は、今もなお続いています。高学歴であっても安定した職に就くことが難しく、厳しい生活を強いられている人々が多く存在します。今回は、東京大学卒でありながら、生活苦に陥っている中嶋さん（仮名）のケースを通して、氷河期世代が直面する現実と、就活・転職活動の難しさについて考えてみましょう。
就職氷河期とは？その影響は？
1990年代後半から2000年代前半にかけて、日本経済の低迷により新卒採用が大幅に減少した時代を「就職氷河期」と言います。この時代に就職活動を行った世代は、希望の職種や企業に就くことができず、非正規雇用や低賃金での労働を強いられるケースが多く見られました。中嶋さんのように、高学歴であっても例外ではありません。
alt="中嶋春樹さん（仮名・43歳）"
東大卒でも安定しない雇用状況
中嶋さんは、現役で東京大学に合格し、大学院修了後、念願の研究職に就きました。しかし、その給与は月20万円弱と、生活は非常に厳しいものでした。
研究職の現実と厳しい生活
「研究職は、収入が不安定で、生活が苦しいというイメージはなかった」と語る中嶋さん。しかし、現実は想像以上に厳しく、研究費の捻出にも苦労する日々が続きました。
非正規雇用と低賃金の苦悩
2年間の有期契約の研究職が終了後、中嶋さんはライター業を経て、人材会社に就職しました。しかし、そこはブラック企業で、給料は上がらず、将来への不安は募るばかりでした。
ブラック企業での経験と挫折
「正社員として働きたい」という思いから人材会社に就職した中嶋さんでしたが、厳しい労働環境と低賃金に苦しみ、精神的にも追い詰められていきました。
非常勤講師と多重労働の現実
その後、大学の非常勤講師の職を得たものの、正社員からアルバイトに降格となり、収入はさらに減少。生活苦から消費者金融に頼るようになり、借金は100万円近くまで膨らんでしまいました。
解雇と多重労働の過酷な日々
会社の業績悪化により解雇された中嶋さんは、現在、非常勤講師、町中華店、日雇い労働の3つを掛け持ちして生計を立てています。休日もなく、体にガタを感じながらも、働けるうちに働いておこうと必死です。
氷河期世代の未来への希望
中嶋さんのように、氷河期世代は厳しい現実に直面していますが、それでも未来への希望を捨てずに、日々努力を続けています。 キャリアカウンセラーの山田花子さん（仮名）は、「氷河期世代は、様々な経験を積んでいるため、ポテンシャルが高い人が多い。自分に合った仕事を見つけ、スキルアップを図ることで、より良い未来を切り開くことができる」とアドバイスしています。
まとめ
氷河期世代は、厳しい就職活動、不安定な雇用、低賃金など、多くの困難に直面しています。高学歴であっても例外ではなく、中嶋さんのケースは、氷河期世代の厳しい現実を象徴しています。 しかし、希望を捨てずに努力を続けることで、未来を切り開くことは可能です。
この記事が、氷河期世代の現状を理解し、彼らが抱える問題について考えるきっかけになれば幸いです。
