大阪・関西万博は、未来社会を体感できる場として、デジタル化とペーパーレス化を推進しています。スマートフォンでパビリオンを予約したり、デジタルマップで会場内を navigate したりと、便利でスムーズな万博体験を目指しているのです。
しかし、その一方で、デジタル化についていけない高齢者を中心に「予約が難しい」「デジタルマップを使いこなせない」といった声が上がっているのも事実です。
デジタル予約の壁:スムーズなはずが…
デジタル予約システムは、待ち時間を減らし、より多くのパビリオンを楽しめる画期的なシステムとして導入されました。東京都から訪れた79歳の男性は「予約が取れれば並ばずにパビリオンに入れて非常に良い」と、その利便性を高く評価しています。
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しかし、大阪市の70代の主婦は「予約が難しくて、何回もやろうとしたけどできなかった」と困り顔。デジタル機器に不慣れな人にとっては、予約システムの操作が複雑に感じられるようです。 予約システムの改善、あるいはサポート体制の強化が求められるでしょう。
事前予約が必要?情報不足も混乱に拍車
茨城県から来た82歳の男性は、政府が出展する「日本館」を訪れましたが、入場できませんでした。万博サイトには「事前予約がなくても大丈夫です」と記載されているにも関わらず、実際には一部の時間帯で事前予約が必要だったのです。男性は「当日予約でもいいと言われていたのに。予約、予約で嫌になる」と不満を漏らしました。 情報提供の正確性と分かりやすさが重要です。 例えば、飲食店予約サイトのように、リアルタイムで空席状況を確認できるシステムの導入も検討すべきかもしれません。
デジタルマップ vs 紙の地図:アナログへの根強いニーズ
東京ドーム約33個分という広大な会場では、地図は必須アイテムです。デジタルマップはタップ操作でパビリオンの情報を得られますが、「使いこなせない」「紙がいい」という声も少なくありません。
会場内では200円で紙の地図も販売されており、2時間待ちになることも。当初1台だったレジは3台に増設されました。 デジタルネイティブ世代にとってはデジタルマップが便利でも、高齢者にとっては紙媒体の方が分かりやすいという現実があります。
紙の地図人気に協会も困惑?
日本国際博覧会協会内からは「紙の地図が売れているというのはどうなのか」といった声も上がっているようです。デジタル化を推進する一方で、アナログツールへの需要の高まりに戸惑いを隠せない様子が伺えます。 「万博アプリの使い方講座」などを開催し、デジタルツールの活用をサポートするのも一つの方法かもしれません。 また、高齢者向けに、操作がシンプルなデジタルマップの開発も有効でしょう。
まとめ:デジタル化とアクセシビリティの両立を目指して
大阪・関西万博は、最先端技術を駆使した未来社会を提示する一方で、デジタルデバイドの問題にも直面しています。 誰もが快適に万博を楽しめるよう、デジタル化とアクセシビリティの両立が求められています。 多様なニーズに対応した情報提供やサポート体制の充実が、真にインクルーシブな万博の実現につながるでしょう。