防衛省の事務次官人事を巡り、不穏な空気が漂っています。2025年夏に増田和夫事務次官の任期満了が迫る中、後任選びは難航を極めている模様です。その背景にあるのは、昨年続いた省内におけるパワハラ問題。jp24h.comは独自の情報網を駆使し、この人事の行方を探ります。
パワハラ問題の影響は深刻
昨年、防衛省では複数の幹部職員がパワハラで処分を受けました。中でも、次官級ポストである防衛審議官を務めていた中嶋浩一郎氏の停職30日は、省内外に大きな衝撃を与えました。中嶋氏は依願退職を余儀なくされ、事実上の引導を渡された形です。
防衛省の庁舎
実は、中嶋氏のパワハラに関する証言は、他の幹部職員の処分時にも既に存在していました。しかし、増田次官は中嶋氏から「今後は部下へ適切に対応する」との確約を得て、昇格を認めていたのです。この判断が、結果的に次官級ポストにおける前代未聞の懲戒処分という事態を招き、他省庁からは失笑を買っているとの情報も。
人事コンサルタントの山田一郎氏(仮名)は、「組織風土の改善にはトップの強い意志と具体的な行動が不可欠。確約だけで済ませたのは、問題の深刻さを理解していなかった証左と言えるだろう」と指摘します。
次期次官候補たちの課題
中嶋氏の後任となった加野幸司官房長も、部下への厳しさで知られる人物。防衛政策局長、官房長を歴任した実績はありますが、過去の防衛審議官で次官に転じた例はなく、昇進の可能性は低いと見られています。
現在、増田次官の後任として有力視されているのは大和太郎防衛政策局長です。日米防衛協力や自衛隊の部隊運用に関する要職を歴任し、外務省からも高い評価を得ています。しかし、大和氏も旧防衛庁時代からのハラスメント文化に染まっているとの懸念の声も。
他の次官候補としては、田中利則地方協力局長と萬浪学官房長の名前が挙がっています。両者ともオールラウンダーとして知られますが、田中氏は沖縄防衛局勤務や国家安全保障局(NSS)出向の経験を持つ点が注目されています。
防衛問題に詳しいジャーナリストの佐藤花子氏(仮名)は、「次期次官には、防衛政策の専門知識だけでなく、組織文化改革を断行できるリーダーシップが求められる。パワハラ問題を真摯に受け止め、健全な組織運営を実現できる人物こそが、今の防衛省に必要なリーダーだ」と語っています。
今後の防衛省人事の行方
パワハラ問題の余波は大きく、次期次官人事に暗い影を落としています。誰が次官に就任するにしても、組織文化の改革は喫緊の課題です。jp24h.comは、今後も防衛省の人事を注視し、最新情報をお届けしていきます。