2012年4月20日、秋田県鹿角市の八幡平クマ牧場で発生した痛ましい事件。飼育されていたヒグマが檻から脱走し、従業員2名が犠牲となりました。前編では、2名の女性従業員が襲われた経緯をお伝えしました。この後編では、猟友会による6頭のヒグマ射殺までの緊迫の5時間を詳細に再現します。
1頭目のヒグマ射殺
午前10時半頃、猟友会救助隊の一員である建設業を営むB氏(当時57歳)に出動要請が入りました。猟友会でも屈指の射撃の名手であるB氏は、わずか10分の準備時間で現場へと急行しました。
現場の緊迫感
11時半頃、牧場に到着したB氏を待っていたのは、既に5名ほどの警察官と10名ほどの消防隊員、そして数名の猟友会員の姿でした。緊迫した空気が牧場全体を覆っていました。B氏はライフルを肩に担ぎ、牧場入口へと進みました。
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巨大ヒグマとの遭遇
運動場にできた雪山を乗り越えた先に、1頭の巨大なヒグマを発見。体長1.5メートル、体重250キロはあろうかという巨体。B氏は後に「近くにシゲさんが倒れていることには気づかなかった。早く殺らなければこっちが殺られる、という思いだけだった」と語っています。
射殺許可と決死の覚悟
正午頃、ついに射殺許可が下りました。B氏はもう1人の猟友会員と共に、ヒグマへと慎重に近づいていきました。ヒグマとの距離は約20メートル。ツキノワグマの狩猟経験は豊富だったB氏ですが、ヒグマは初めて。致命傷を与え損なった場合の凶暴性を想像し、恐怖を感じていました。確実な射殺のため、B氏は頭部を狙うことを決意。腹這いになり、銃身を雪山で固定し、狙いを定めました。
響き渡る銃声
銃声が響き渡りました。B氏が引き金を引いた直後、もう1人の猟友会員も発砲。2発の銃弾はヒグマの頭部に命中。鳴き声を上げることもなく、ヒグマはその場に倒れました。
残る5頭のヒグマ
1頭目を射殺したB氏と猟友会員たち。しかし、まだ5頭のヒグマが牧場内を徘徊しています。緊迫の状況は続きます。(※残りの5頭の射殺劇については紙面の都合上割愛させていただきます。当時の関係者への取材に基づき、後日改めて詳細をお伝えする予定です。乞うご期待ください。)
終わりに
八幡平クマ牧場事件は、野生動物の飼育管理の難しさ、そして自然の脅威を改めて私たちに突きつけた事件でした。犠牲となった方々のご冥福をお祈りするとともに、二度とこのような悲劇が繰り返されないことを願います。
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