利用者を「あいつらはくず」 生活保護窓口の闇、役所内からの証言も


 荒木恵司市長は3月28日、市職員による「申請権の侵害」が大きな要因だったと認め、利用者や相談者に「耐えがたい苦痛や不利益を与えた」と謝罪した。

【写真】生活保護利用者、10年で半減 「厳しい指導」「仕送り強要」の疑い

 市長が謝罪したのは、約1年にわたり市生活保護行政の問題を検証してきた専門家による第三者委員会の報告書を受け取った後のことだ。報告書は「生活保護法違反」「組織的不正」「規範意識崩壊」などを厳しく指摘した。

 再発防止に向けた第三者委からの提言を受けて荒木市長は、窓口相談の録音、利用者からの苦情を受け付ける窓口設置など、踏み込んだ対応をとることを明らかにした。

 報告書に大きな影響を与えたと思われるのが、市民から寄せられた証言の数々だ。

 第三者委は今年1月に情報提供を募り、集まった100件を超す証言の概要を3月半ばに公表した。他部署の市職員からも複数の情報が寄せられていた。

 生活保護利用者について「ろくでもねぇ」「あいつらはくず」と言ってはばからない職員がいた▽保護係の職員による恫喝(どうかつ)、罵声は日常茶飯事で、他課職員でさえ聞くに堪えない内容だった。しかし誰も注意せず、制止しなかった(いずれも市職員からの証言)――。

 事実なら人権侵害と言わざるをえない深刻な窓口の実態が、数々の証言から浮かび上がった。

朝日新聞社



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