【ソウル=名村隆寛】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は19日、MBCテレビの特別企画番組に生出演し、23日午前0時に失効が迫っている日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)について「最後の瞬間までGSOMIA終了の事態を避けられるならば、日本とともに努力する」と述べた。
国政運営についての国民からの質問にスタジオで直接答える番組で語った。文氏は韓国が破棄を決定したGSOMIAの問題について、「日本に原因がある」とし、「安全保障上、韓国を信じることができないとし、(日韓の)疎通が必要なのに日本は突然、(半導体材料の)輸出統制措置をとった」と日本政府による輸出管理厳格化を批判した。
文氏は「韓国にとっては韓米日の安保関係も重要だ」とした上で、問題解決には「日本の態度の変化が必要だ」と強調。日本に措置撤回を求める従来の主張を繰り返した。
質疑は約100分間行われ、事前に選ばれた国民300人が参加した。
一方、米国のハリス駐韓大使は19日、聯合ニュースのインタビューに対し、GSOMIAについて「失効まで数日残っている。機会は依然、残っている」と述べ、韓国が破棄決定を撤回することに期待を示した。ハリス氏は「韓国が歴史問題を米国の安保、朝鮮半島防衛の能力に影響を与える安保領域に広げたことに失望した」とし、日韓が「意見の違いを克服し、GSOMIAを破棄しないよう強く望む」と語った。