中央発條工場爆発事故:再発防止への取り組みと新社長就任

2025年3月に発生した中央発條藤岡工場の爆発事故。この痛ましい事故から約2ヶ月、同社は再発防止に向けた具体的な対策を打ち出しました。この記事では、事故の概要、原因究明の進捗状況、そして新たな安全対策について詳しく解説します。

事故の概要と謝罪

3月6日、愛知県豊田市にある中央発條藤岡工場で集じん機が爆発。この事故で男性作業員1名が死亡、1名が軽傷を負いました。2025年3月期決算会見の場で、小出健太社長は改めて深く謝罪し、被害者とそのご家族、関係者への償いの意を表明しました。

中央発條藤岡工場の爆発現場中央発條藤岡工場の爆発現場

事故原因と再発防止策

事故原因については現在も調査中ですが、小出社長は集じん機の管理に問題があった可能性を示唆。メーカーのカタログ通りの運用ではあったものの、同工場は粉じんが多い環境であり、適切な管理体制が整っていなかった可能性があると述べました。

再発防止に向け、同社は安全対策強化費用として約10億円を計上。保全人員の増員、点検頻度の増加、フィルター交換頻度の見直しなど、集じん機の管理体制を強化する方針です。

専門家の見解

製造現場の安全管理に精通した専門家(匿名)は、「粉じん爆発は、粉じん濃度、酸素濃度、そして着火源の3つの要素が揃うことで発生します。集じん機は粉じんを多く含むため、定期的なメンテナンスや適切な換気システムの導入が不可欠です。」と指摘。今回の事故を教訓に、各企業が改めて安全管理体制を見直す必要性を訴えています。

新社長就任と今後の展望

中央発條は、北浦啓一執行役員を新社長に昇格させる人事を発表。6月の株主総会で正式に決定する予定です。北浦氏は、安全対策の徹底を最優先課題として掲げ、再発防止に全力を注ぐと表明しました。

事故現場の様子事故現場の様子

この事故は、製造業における安全管理の重要性を改めて浮き彫りにしました。中央発條の再発防止に向けた取り組み、そして新体制のもとでの経営に注目が集まります。