【ワシントン=住井亨介】トランプ米大統領のウクライナ疑惑をめぐる弾劾訴追調査で、下院情報特別委員会は19日、現・元職の政府高官ら4人に対する公聴会を開催した。トランプ氏がウクライナのゼレンスキー大統領に対し、バイデン前副大統領に関する調査を求めた電話会談を傍聴していた高官らは、要請は「不適切」「異常」だと感じたと証言した。
電話会談を問題視したのは、ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)でウクライナ問題を担当するビンドマン陸軍中佐と、ペンス副大統領の外交顧問を務めるウィリアムズ氏。
ビンドマン氏は「ウクライナが調査に入れば、(米国内の)長年にわたる超党派によるウクライナ支持が失われ、米国の安全保障を脅かす」ことになると危惧。7月25日の電話会談後に「(情報を)知るべきホワイトハウス外」のケント国務次官補代理(ウクライナ担当)と「情報機関職員」に話したことを明らかにした。
米メディアは疑惑の発端となった内部告発者について米中央情報局(CIA)職員と報道しているが、特定されていない。共和党側は、ビンドマン氏が明らかにした情報機関職員が内部告発者と関連するとみて追及したが、同氏は答えず、「内部告発者については知らない」と述べた。
また、ウクライナ政府に調査着手を働きかけていたカート・ボルカー元ウクライナ問題担当特別代表も証言。トランプ政権が求めていたウクライナでの汚職調査がバイデン氏に関する調査を意味していたことを「知らなかった」と主張した。