【英南部スウィンドン=板東和正】12月12日の英総選挙が迫る中、ジョンソン首相は19日夜、与野党両党首による選挙戦初のテレビ討論に出席した。与党・保守党党首のジョンソン氏は、総選挙の争点となる欧州連合(EU)離脱をめぐり、離脱期限の来年1月末に「確実に離脱する」と宣言。一方、最大野党・労働党のコービン党首は、国民投票で離脱方針について民意を問う考えを示した。
ジョンソン氏はテレビ討論で、EUと離脱協定案で合意しているとした上で「離脱の準備はできている」と指摘。「(離脱問題が膠着していた)英国の惨めな状況に終止符を打つ」と強調した。
また、保守党は、離脱後に原則2020年末まで現状の経済関係が続く「移行期間」が終了するまでに、EUとの自由貿易協定(FTA)を締結することを目指している。コービン氏はテレビ討論で、その方針を「ばかげている」と発言。他国がEUとFTAを締結するのに数年間かかったケースを例にあげ、「実現できないことは分かっているはずだ」と批判した。
英調査会社ユーガブによると、19日時点で、保守党の支持率は42%で労働党を12ポイント引き離している。