小学5年生の時、男性家庭教師から性被害を受けた後藤慶士さん。幼少期の辛い経験を乗り越え、現在はSMマッチングサイト「Luna」を運営し、性的マイノリティの人々の居場所づくりに尽力されています。今回は、後藤さんがどのような環境で被害に遭い、どのように乗り越えてきたのか、その軌跡を辿ります。
教育熱心な家庭環境と多忙な小学生時代
期待を一身に背負って
後藤さんは、教育熱心な母親と寡黙な父親、そして弟の4人家族で育ちました。幼稚園の頃から知育玩具に触れ、小学生になると水泳、そろばん、ピアノ、習字、サッカーなど、週に7〜8個もの習い事をこなしていました。塾にも週3回通い、中学受験を目指して勉強漬けの日々を送っていたそうです。母親の教育方針から、高校、大学も偏差値の高い学校への進学を期待されていたことが伺えます。教育に関しては母親が主導権を握り、父親はほとんど関与していなかったとのこと。
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家庭教師との出会い
小学5年生になると、塾から家庭教師に切り替えて勉強を教わるようになりました。23歳の大学生だった家庭教師は、愛想が良く、勉強以外にも後藤さん兄弟の面倒を見てくれるなど、家族からの信頼も厚かったそうです。当時の後藤さんにとって、彼はまさに理想的なお兄さん的存在でした。
悪夢の始まり:家庭教師からの性加害
膝の上から始まった違和感
家庭教師との出会いは順調でしたが、数ヶ月後、性加害が始まりました。最初は家庭教師の膝の上に乗せられて勉強を教わるという行為でした。弟も同じようにされていたため、後藤さんは特に違和感を感じなかったといいます。しかし、次第にキスをされるようになり、頬だけでなく口にも及ぶようになりました。
エスカレートする性被害と心の傷
性被害はさらにエスカレートしていき、後藤さんは深い心の傷を負うことになります。幼い心に刻まれたトラウマは、その後の人間関係にも大きな影響を与えました。男性への嫌悪感を抱き、他人とのコミュニケーションに苦労した時期もあったそうです。
トラウマを乗り越えて:性的マイノリティの居場所づくりへ
過去の経験を力に変えて
辛い経験を乗り越え、後藤さんは現在、SMマッチングサイト「Luna」を運営しています。性的マイノリティの人々が安心して集まり、交流できる場を提供することで、過去の自分と同じような苦しみを抱える人々を支えたいという強い思いがあるそうです。「性」に対してコンプレックスを抱える人々が、自分らしく生きられる社会の実現を目指し、後藤さんは活動を続けています。
今後の展望とメッセージ
後藤さんの今後の展望や、性被害を受けた子供たちへのメッセージ、そして社会全体への提言など、さらに詳しい内容は次回の記事でご紹介いたします。困難を乗り越え、力強く生きる後藤さんの物語は、多くの人々に勇気を与えてくれるでしょう。