この記事では、安倍晋三元首相が語った祖父・岸信介元首相の知られざる一面と、日米安保条約改定における舞台裏に迫ります。稀代の政治家として知られる岸信介氏の家庭での姿、そして歴史的転換点となった安保改定の真実とは?
幼少期の安倍元首相と祖父・岸信介
安倍元首相は幼少期、首相であった祖父・岸信介氏に大変可愛がられていたといいます。2歳から5歳までの間、頻繁に岸家を訪れ、祖父の布団の中で様々な話を聞かされたそうです。男3人兄弟の次男であった安倍元首相ですが、岸家に養子に入る可能性もあったと語っています。
安倍晋三元首相
家族との食事や会話を大切にしていたという岸信介氏。家庭では、孫である安倍元首相にとって優しい祖父であったことが伺えます。政治家としての顔とは異なる、温かい一面が垣間見えます。
岸信介の政治的功績:日米安保条約改定
岸信介氏の最大の功績は、日米安保条約の改定です。旧安保条約は米国に日本の防衛義務がなく、不公平な内容でした。岸氏はこれを是正し、真の同盟関係を築くために尽力しました。
経済政策にも通じていた岸氏ですが、「経済政策は役人でもできるが、外交と安保政策は政治家でなければできない」という信念のもと、安保改定に挑んだのです。この決断は、その後の日本の繁栄に大きく貢献しました。
安保改定の難航と党内工作
安保改定は容易ではありませんでした。自民党内にも反対派が多く、岸氏は党内工作に奔走しました。池田派、大野派、河野派などとの調整のため、後継問題に関する密約を結んだといいます。
後に安倍元首相が、伯父である岸信和氏と共に祖父にこの密約について尋ねたところ、岸氏は密約の存在を認め、「難しいと思っていた」と実現の可能性は低いと考えていたことを明かしたそうです。
当時の政治状況を考えると、安保改定を実現するために岸氏がどれほどの苦労を強いられたのかが想像できます。 歴史学者である田中一郎氏(仮名)は、「岸信介のリーダーシップと政治手腕なくして、安保改定は実現しなかっただろう」と述べています。
岸信介の素顔と政治的決断
この記事を通して、岸信介氏の意外な素顔と、日米安保条約改定の舞台裏を垣間見ることができました。家庭では優しい祖父でありながら、政治の舞台では冷徹な決断を下す、そのギャップに岸氏の複雑な人間性が表れています。
歴史に残る安保改定は、岸氏の強い信念と政治手腕によって成し遂げられた偉業と言えるでしょう。