【中東ウオッチ】シリア攻撃で割れるトルコのクルド人 「同化政策」と「民族意識」の狭間

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クルド人が多く住むトルコ南東部ディヤルバクルの旧市街=10月24日(佐藤貴生撮影)

クルド人が多く住むトルコ南東部ディヤルバクルの旧市街=10月24日(佐藤貴生撮影)
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 トルコがシリア北部のクルド人勢力に行った越境攻撃は、トルコ国内の少数民族クルド人社会の分断を浮き彫りにした。「クルド民族意識」が強い人々は「同胞に対する攻撃だ」と批判する一方、「トルコ国民」であることを重んじる人々は「テロリストの掃討だ」と攻撃を支持する構図だ。「祖国なき最大の民」と称されるクルド人の中で、トルコのエルドアン政権の支持派が増えたのはごく最近のことだ。その経緯を含め、トルコにおけるクルド人の問題を紹介する。(イスタンブール 佐藤貴生)

■変わる帰属意識

 「シリアへの越境攻撃はトルコによる国境侵犯だ。クルドの独立国家建設を阻む狙いだ」。トルコ南東部シャンルウルファで会ったクルド人大学生、ビラルさん(22)はエルドアン政権を強く非難した。

 トルコは攻撃の末、シリア北部のクルド人の民兵組織を国境周辺から排除することで米露と合意し、独立国家建設の悲願は遠のいた。しかし、ビラルさんは「クルドの国はいずれできると信じている」という。

 これに対し、同じ町の小売店主、マハムートさん(43)は「私はクルド人だが、その前にトルコ市民だ」と断った上で、「シリアのクルド人の民兵組織はテロ組織で、攻撃は遅すぎたぐらいだ。クルドの独立国家建設など不可能だ」と述べ、政府を支持した。

 民族としてのクルド人はクルド語を話すことに加え、イスラム教の信仰に篤い保守派が多いことが特徴だ。トルコでは通りや学校など公の場で、クルド語の使用が制限されている状況に変わりはない。にもかかわらずマハムートさんのような人が増えている。

■弾圧政策の緩和

 エルドアン政権を支持するクルド人が増えたのは、政権が建国以来続いた弾圧政策を緩和したからだ。

 イスラム教に基づく統治体制のオスマン帝国が第一次大戦で敗北、分割され、代わって成立したトルコは政教分離を国是とし、トルコ語の使用を義務化した。「国民国家」という概念が広がった当時の情勢を反映し、混在する多民族を「トルコ人」としてまとめ上げることを目指したのだ。

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