日米貿易摩擦、関税撤廃へ厳しい道のり:自動車関税撤廃に難色示す米国

日米貿易摩擦をめぐり、両政府はワシントンで2回目の閣僚級協議を実施しました。5月中旬以降に集中的な協議を行うことで合意したものの、自動車や鉄鋼・アルミ関税の撤廃に関して米国は難色を示しており、予断を許さない状況が続いています。

協議の進展と課題:自動車関税撤廃は茨の道

日本側は、赤沢亮正経済再生担当相を筆頭に、米国の関税措置に対し改めて強い懸念を表明し、撤廃を求めました。米国からはベッセント財務長官、ラトニック商務長官、グリアUSTR代表が出席し、約130分に及ぶ協議が行われました。赤沢氏は協議後、「突っ込んだ議論ができた」と手応えを語りましたが、石破茂首相は「一致点を見いだせていない」と慎重な姿勢を見せています。

altalt

米国は、日本側の巨額の貿易黒字を問題視しており、特に自動車分野での是正を求めています。日本側は、米国車の輸入促進につながる自動車安全規制の緩和や、米国の農産物輸入拡大を提案した可能性があります。しかし、自動車関税撤廃への道のりは険しく、今後の交渉の行方は不透明です。

為替・安全保障問題は別枠で協議:焦点は貿易不均衡の是正

今回の協議では、円安などの為替問題や在日米軍駐留経費の増加といった安全保障問題は議題に上がりませんでした。これらの問題は、日米関税交渉とは切り離して議論される見通しです。為替問題は、日米財務相協議で扱われる予定です。

専門家の中には、「米国は貿易不均衡の是正に焦点を当てており、自動車関税の撤廃は容易ではないだろう」と指摘する声もあります。(架空の経済評論家 山田太郎氏)

日本側は、国益を守りつつ早期の合意を目指したいとしていますが、米国側の強硬姿勢を崩せるかが焦点となります。

今後の交渉日程と展望:早期合意を目指すも慎重な姿勢崩さず

今後の交渉日程については、赤沢氏は「できるだけ早く日米双方にとって良い結論を出したい」と述べ、早期合意への意欲を示しました。しかし、石破首相は「時期について言及すべきではない。国益を損なうものであってはならない」と慎重な姿勢を崩していません。

altalt

大枠合意後に詳細を詰める「2段階交渉」の可能性も取り沙汰されていますが、現時点では未定です。今後の交渉の行方次第で、日米経済関係に大きな影響を与える可能性があります。 早期の解決が望まれますが、両国の主張の隔たりは大きく、予断を許さない状況が続きそうです。