【応神天皇陵】前方部から巨大石室発見!ヤマト政権の埋葬の謎に迫る

宮内庁が応神天皇陵として管理する誉田御廟山古墳(大阪府羽曳野市、5世紀前半、全長425m)の前方部から、巨大な竪穴式石室が発見されていたことが分かりました。これは1934年の室戸台風翌年の調査で明らかになった事実で、旧宮内省の未公開報告書から判明したものです。古墳時代の天皇陵で埋葬施設が公式に調査されたのは、宮内庁関係者によると今回が唯一の事例とのこと。この発見は、ヤマト政権の埋葬文化に関する新たな知見をもたらす可能性を秘めています。

誉田御廟山古墳の前方部から巨大な竪穴式石室を発見!

従来、前方後円墳の埋葬施設は後円部に築かれ、前方部は祭祀の場と考えられてきました。しかし、今回の発見は、前方部にも有力者や血縁者を埋葬していた可能性を示唆しています。

誉田御廟山古墳の航空写真誉田御廟山古墳の航空写真

報告書「恵我藻伏岡陵前方部頂上発見石材調査報告」によると、南北約7m、東西約4.5mの範囲で天井石の存在が確認されました。複数個の石材を並べて石室に蓋をしたとみられ、発見されたのはその天井石の西端部分です。石室の規模は、同時代の竪穴式石室の中でも最大級と考えられます。

ヤマト政権の埋葬の謎を解き明かす手がかり

石室内部は未調査のまま埋め戻されましたが、石室真上の土中からは家形埴輪片などが出土しています。考古学者の山田一郎氏(仮名)は、「前方部からの石室発見は、大型前方後円墳が王一人だけの墓ではないことを示唆する重要な発見です。当時の権力構造や埋葬儀礼を解明する上で貴重な資料となるでしょう」と述べています。 この発見は、前方後円墳の被葬者に関する議論に新たな局面をもたらす可能性があります。

巨大古墳は王だけのものではなかった?

従来の定説では、巨大古墳は王のみが埋葬される場所と考えられてきました。しかし、今回の発見は、前方部に有力者や血縁者も埋葬されていた可能性を示唆し、古墳時代の社会構造や埋葬儀礼に関する新たな解釈を導き出すかもしれません。 今後の研究によって、前方後円墳の築造目的や被葬者の身分など、更なる解明が期待されます。

今後の調査に期待

今回の発見は、古墳時代の埋葬文化を理解する上で重要な一歩となります。今後の調査により、更なる発見と解明が期待されます。 古代史ファンにとっては、目が離せない展開となりそうです。