日本のいいところは、よほどの飛行機嫌いでも日本中あちこちを旅できることだ。沖縄など離島部はさすがに難しいが、本州・北海道・四国・九州にはおおむねくまなく鉄道ネットワークが張られている。
◤画像◢:瀬戸内にたたずむ“本州最後のナゾの途中駅”「児島」を写真で一気に見る
たとえば、四国。東京駅から新幹線「のぞみ」に乗れば、3時間20分ほどで岡山駅に着く。で、そこから瀬戸大橋線の快速「マリンライナー」に乗り継げば高松へ、また特急「しおかぜ」なら松山、特急「南風」なら高知まで。
四国に限らず、国内の主要都市のほとんどは東京駅から多くても3〜4回ほどの乗り換えで行くことができる。アメリカやロシア、中国といった広大な大陸に国土を持つならともかく、日本のような島国ではなかなかスゴいことなのではないかと思う。
いや、もちろん飛行機と比べたら時間がかかりすぎるといった問題はある。けれど、できる限り飛行機は避けたいという人も一定数はいるわけで、そういう人たちも安心して旅できるということは、やっぱり日本はいい国なのである。
さて、ここで四国の話に戻ろう。といっても、今回の目的地は四国ではなくその手前、児島駅だ。
岡山駅から瀬戸大橋線に乗り換えて20分ほど、いざ瀬戸大橋を渡らんとするその直前、つまり瀬戸大橋のたもとにあるのが児島駅である。この駅を出たら、あとは瀬戸内海を渡って四国に上陸するから、本州最後の駅でもある。
“本州最後の駅”「児島」には何がある?
で、この児島駅、言うなれば四国に行く途中、気がつけば通り過ぎてしまうような存在だ。ところが、快速「マリンライナー」はもちろん特急「しおかぜ」「南風」、そして寝台特急「サンライズ瀬戸」までご丁寧に停車するのである。
そして、これがまた意外とお客の乗り降りが多い。岡山発の各駅停車も、児島行きが大半。と、まあなかなかに気になる存在なのだ。
そういうわけで児島駅にやってきた。開業したのは1988年、瀬戸大橋の開通と同じ年。そもそもこの区間の線路は瀬戸大橋を渡るために建設されたものだから、まるで新幹線でも走りそうなくらいに立派な高架線になっている。
児島駅も高架の2面4線、目隠しして連れてこられたら、新幹線がやってくると勘違いしてしまう人もいるかもしれない。それくらい、立派な駅だ。