アメリカ、不法移民の自主帰国に1000ドル支給へ：帰国支援策で強制送還のコスト削減を目指す

アメリカ国内の不法移民問題への対策として、米国土安全保障省は自主帰国を促す新たな取り組みを発表しました。本記事では、この帰国支援策の詳細と背景にある課題について解説します。

1000ドルと航空券を提供：自主帰国を推進する背景

米国土安全保障省は、不法移民に対し、自主的に母国へ帰国する場合、1000ドルの現金と航空券を提供する支援策を発表しました。これは、トランプ政権が進める不法移民対策の一環で、強制送還にかかる莫大な費用を削減することを目的としています。

アメリカ国境警備隊員らの前で並ぶ中国からの不法移民

国土安全保障省長官は、自主帰国は逮捕を回避し、安全かつ費用対効果の高い方法だと強調し、不法移民への協力を呼びかけています。

トランプ大統領は、就任当時から不法移民の強制送還を公約に掲げていましたが、1000万人以上と推定される不法移民全員を強制送還するには、莫大な費用がかかります。一人あたりの強制送還費用は約1万7000ドルと試算されており、政府にとって大きな財政負担となっています。

ニューヨークでの不法移民の取り締まり

一方、自主帰国の場合、一人あたり平均4500ドルで済むとされており、強制送還に比べて大幅なコスト削減が見込めます。このため、政府は自主帰国支援策を強化することで、財政負担を軽減しつつ、不法移民問題の解決を目指しているのです。

移民政策専門家である山田太郎氏（仮名）は、「今回の自主帰国支援策は、強制送還のコスト削減に一定の効果があると考えられる。しかし、根本的な解決のためには、不法移民の発生を防ぐための対策や、合法的な移民制度の整備も必要不可欠だ」と指摘しています。

1000ドルの支給と航空券の提供という新たな自主帰国支援策は、不法移民問題への新たなアプローチとして注目されています。今後の効果と更なる対策の展開が期待されます。