2020年東京五輪の空手会場に敷かれるマット調達の一般競争入札で、業者が1円で落札した事実を大会組織委員会が非公表としていた問題で、組織委は21日午後、ホームページ(HP)の記載を修正し、1円の契約金額を公表した。
組織委は当初、非公表の理由を「過度な競争につながるおそれもある」としていたが、報道を受け、方針を転換した。今後はすべての一般競争入札について、いかなる契約金額でも公表するという。
1円入札は、独占禁止法が禁じる不当廉売にあたる可能性があるとの指摘もある。今回のケースについて古宮正章副事務総長は、9月の空手テスト大会で品質を確認した上で契約したと説明。「(落札業者が)今後に向けたビジネスとして(1円入札を)やられたのであれば、独禁法の不当廉売にはあたらないと判断した」と強調した。
一方、過度な競争を避けるため、今後の一般競争入札で最低価格を設定することについては「難しい」と否定的な見解を示した。
入札では7月5日に4社が参加し、埼玉県の業者が落札。10月1日に組織委のHP上などで結果が公表されたが、契約金額の記載はなかった。