4月30日、京都市中心部で発生した大規模冠水。溢れ出した濁流は住宅街へと押し寄せていき、多くの家屋や自動車が浸水被害を受けた。
【画像】「老朽化率」47位〜43位。全都道府県ランキングは?
原因は水道管の破裂だ。
報道によれば、地下約1.5mに埋まった管に直径30cm以上の穴が開いていたという。この管は実に65年前に敷設されたもの。法定耐用年数の40年を大幅に超えていた。
この騒動は、日本が直面する水道管の危機を浮き彫りにするものだ。国土交通省によると、2022年度に全国で水道管の事故は約2万件も発生している。
「週刊文春」 は日本水道協会の2022年度版「水道統計」の自治体(市区町村、一部は事業主体を含む)データをもとに、各地の実態を探った。そして耐用年数40年を超える水道管の割合=「老朽化率」が高い自治体を「ワースト20」として、「週刊文春 電子版」および「週刊文春」で公開している。本記事では、それとは別に都道府県のランキング結果を紹介していく。
取材班で都道府県別に調べたところ、首都・東京都はワースト29位(老朽化率21%)とそこそこの数字だ。
ではワーストランキングの下位、つまり老朽化が比較的進んでいない都道府県はどこなのか。老朽化が進んでいない“トップ3”をあげると、45位・茨城県(老朽化率16.9%)、46位・山梨県(同16.4%)、47位・栃木県(同15.7%)という結果になった。
山梨と同じ甲信越地方の他県は42位・長野県(同17.5%)、30位・新潟県(同20.8%)と低値安定。45位と47位にランクインした北関東で見ていくと、群馬県も38位(同18.3%)と健闘している様子が数字から伝わってくる。
一方、ワーストのトップ3はというと、ワースト3位には神奈川県がランクイン(同30.3%)。ワースト2位が香川県(同30.9%)。そしてワースト1位は大阪府だった。
大阪府の老朽化率は33.1%。特に老朽化が進む大阪市、門真市、阪南市では耐用年数を超えた水道管の割合は50%以上だ。
だが、各自治体や事業主体ごとに見ていくと、50%どころか老朽化率60%を超える場所もあるのだ――。
5月7日(水)12時配信の 「週刊文春 電子版」 および5月8日(木)発売の「週刊文春」では、「危ない水道管 全国ランキング」としてワースト20自治体リストの実名公開、担当者の連続直撃など、あなたの身に迫る水道管の危機を詳しく報じている。
「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年5月15日号