「18年も刑に服しても暴力団は暴力団ということでしょうか」死んだ娘のために手紙と現金も送ってくれたのに…「暴力団撲滅」を掲げる母親を怒らせた『あるヤクザの裏切り』(昭和60年)


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「私は暴力団を社会から追放するために闘い続けます。それが、まやの本当の仇討ちです」――ヤクザの抗争に巻き込まれたことで、最愛の娘を奪われた堀江ひとみさん。その後、暴力団排除のために半生を捧げた彼女。ついには法律まで変えたその最期とは……。我が子を無惨に殺された親、学生時代ひどいイジメに遭った者などが仕返しを果たした国内外の事件を取り上げた新刊 『世界で起きた戦慄の復讐劇35』 (鉄人社)から一部抜粋してお届けする。(全4回の4回目/ 最初 から読む)

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4000万円を使って「まや基金」を設立

 こうした命がけの活動も影響してか、2004年12月に被害者の支援や保護を目的とした「犯罪被害者等基本法」が成立。

 3年後の2007年には、政府が出した「企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針」や、各自治体の「暴力団排除条例」などにより、暴力団関係者が銀行口座を作ったり、不動産の契約などが困難になる。さらに2008年に暴対法が改正、組織トップの責任が明記され、実際に被害に遭ったヤクザの組長を訴え、勝利する例も増えていく。

 一方、ひとみさんにはショックな出来事もあった。刑事裁判後、彼女のもとには実行犯の男から手紙が届き「こんな形でしか供養できず、すまなく思っています。刑務所で汗を流して得たきれいなお金です。まやちゃんに花を供えてください」と、現金が同封されていた。

 しかし、出所が近づいた2004年ごろから男は三度証言を覆し、組長の指示ではなく自分の判断による犯行だったと主張。弁護士らが証言を訂正するよう求めていたが応じなかったばかりか、男は出所後の2006年8月に恐喝容疑で逮捕される。



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