8日午前11時頃、東京都立川市錦町の市立第三小学校から「校内で男2人が暴れている」と110番があった。男2人は授業中の教室や職員室に侵入して教職員5人を殴るなどし、駆けつけた警察官に暴行容疑で現行犯逮捕された。児童を巡る学校と保護者間のトラブルが背景にあったとみられ、警視庁立川署が詳しい経緯を調べている。
児童にけがはなかった。教職員5人は30~70歳代の男性で、病院に搬送されたがいずれも軽傷とみられる。
同署幹部などによると、逮捕されたのは46歳と27歳の男2人。46歳の男は同小に通う2年生の女子児童の母親の知人だった。母親は午前9時15分頃から、校内で娘の男性担任と面談し、別の児童とのトラブルへの対応について相談していた。話し合いがまとまらず、一度帰宅した後、午前11時前に男2人と再び来校した。
2人は酒瓶を持って校舎2階の2年生の教室に向かい、男性担任や駆けつけた校長らを殴った。その後、誘導されて1階に移動したが、教員らが職員室のドアを施錠すると、ドアの窓ガラスを割って侵入してきたという。46歳の男は調べに、「制止されたので振り払っただけ」と容疑を否認。27歳の男は「(教員らが)押さえつけてきたので、払いのけて何発か殴った」と容疑を認めている。
現場の教室にいた男子児童(7)によると、2人は授業中に押し入り、液体の入った瓶を床にたたきつけて割ったり、教室の椅子で担任を殴りつけたりしたという。男子児童は「みんな泣きながら、体育館や外に逃げた」と話した。
立川市教育委員会は8日、記者会見を開き、飯田芳男教育長は「不安にさせてしまった児童や、けがを負った教職員におわびする」と述べた。市教委は9日、スクールカウンセラーを同小に派遣し、児童の心のケアにあたるという。