ゴールディンウィーク明けの小学校であってはならない暴力事件が発生した。小学2年生の女児同士のトラブルに、保護者の知人2人が“加勢”。授業中の教室に乱入したばかりか、児童がいる前で教員に暴力を振るったのだ。その時、子供たちを襲った恐怖とはー――。
【写真】警察が駆けつけて物々しい雰囲気となった、事件直後の「現場写真」
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「B子はいるか?」。フルネームで女児の名を叫びながら…
事件は5月8日午前11時前、東京都立川市の市立第三小学校で発生した。同校に女児を通わせている母親の知人である40代と20代の男2人が校内に乱入。教職員5名に画面打撲などの怪我を負わせたという前代未聞の暴行事件である。駆けつけた警官によって2人の男は現行犯逮捕されたが、警視庁は男2人の氏名を「女児の特定につながる恐れがある」として発表していない。
きっかけは、2年1組に在籍するA子さんとB子さんのトラブルだった。
「子供同士の争いなので真相は不明ですが、A子さんの母親は、自分の子供がB子さんからいじめられている、と学校に訴え出ていたようだ。この日、9時15分から母親は担任の男性教諭と校内で1時間程度面談。母親は、担任から期待していたような対応を得られなかったため、知人男性2人に相談したのです」(学校関係者)
担任との面談後、一度校外に出た母親は、しばらくすると男2人を連れて学校に戻ってきた。そして、2年1組の教室に直行した。
「男2人は『B子はいるか?』とフルネームでB子さんの名前を叫びながら、教室に入ってきた。一人は酒瓶を手に持っていて、酒を飲んでいたようだ」(同)
偶然「避難訓練」が行われる直前に事件が発生した
担任は2人に教室から出ていくよう求めたが、2人は激しく抵抗。椅子で殴りかかったり、持ってきた酒瓶を割るなどして暴れた。
「担任は子供達に『逃げて』と叫んだため、子供たちは一斉に教室から飛び出して体育館に逃げた。職員室の前を走って避難する子供達の様子を見て、副校長や他の教職員3名が教室に急行。暴れる男2人を職員室の方へ誘導しながら取り押さえ、駆けつけた警察官に引き渡しました」(同)
偶然にも同校ではこの日11時から「避難訓練」が行われる予定だったという。
「まさに、その直前に『本番』がやってきてしまったのです。暴れる男2人を取り押さえようとして、5人の教職員が軽い怪我を負い、窓ガラスが破られるなどの被害が出ました」(同)
なぜこのような乱入を学校側は許してしまったのか。立川市教育委員会事務局教育部指導課に話を聞いた。
――A子さんの母親はいじめを訴えていたようだが、そのような実態があったと学校側でも把握しているのか。
「具体的な相談内容についてはまだ入ってきておらず、把握していないところです。把握できたとしても、個人的な内容になるのでお答えできません」