【AFP=時事】第2次世界大戦のナチス・ドイツの降伏から80年となる欧州戦勝記念日(VEデー)の8日、ドイツのフランクワルター・シュタインマイヤー大統領は議会での演説で、ロシアはウクライナ侵攻について「歴史的なうそ」をついていると批判した。
シュタインマイヤー氏は「全力を尽くし、大きな犠牲を払って」ナチス・ドイツを打ち破った連合国軍の兵士とレジスタンスたちに敬意を表し、ロシアとウクライナの兵士が共に戦った旧ソ連の赤軍の役割を称賛した。
しかし続けて「今のクレムリン(ロシア大統領府)の歴史的なうそには断固反対する」と述べた。
ロシアは3年以上に及ぶウクライナ侵攻を「ネオナチ」との戦いと位置づけ、大戦中の遺産を用いて侵略を正当化している。
だが、シュタインマイヤー氏は「ウクライナに対する戦争は、ファシズムとの戦いの続きではない」と明言。「プーチン氏の侵略戦争、自由な民主国家に対する彼の攻撃は、第2次世界大戦におけるナチスの圧政との戦いとは何の共通点もない」と批判した。
さらに「私たちはもはや今、『5月8日によって解放されたか?』と問う必要はない。だが、『どうすれば自由を保てるのか?』と問わなければならない」と述べた。
議員らはこの演説に拍手を送ったが、最大野党となった極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の多くの議員はそれに加わらなかった。【翻訳編集】 AFPBB News