食堂経営者が夜逃げ、税収は半分…サムスン工場建設が中断した「平沢ショック」


同日、古徳洞(コドクドン)にあるサムスン電子平沢キャンパス正門前の不動産仲介業者には「この場所賃貸問い合わせ」と書かれていた。近隣の不動産仲介業者は「不動産も廃業する状況」と伝えた。空き店舗が並ぶ通りには平沢市所得税納付案内の横断幕がはためいていた。

半導体工場の建設がストップした平沢市の現状況だ。サムスン電子が2015年から289万平方メートル(約87万坪)規模で6本の生産ライン(P1-P6)建設を推進したが、昨年10月に完工する予定だったP4は工事が中断し、P5も基礎工事後に進展がない。DRAM供給の過剰とファウンドリーの受注不振が重なり、工事の日程が延期された。

韓国半導体産業がふらつくと、半導体都市の地域経済も厳しくなった。半導体工場は大規模な建設プロジェクトであるだけに建設業雇用誘発効果が大きい。統計庁によると、今年3月を基準に工事が進行中の半導体工場が集まる京畿道の建設業就業者は55万3000人と、前年同月比10%減少した。これは同月の全国建設業就業者減少率(-8.7%)より大きい。

半導体業況は地方自治体の税収に影響を及ぼす。京畿道平沢が代表的な例だ。平沢市の法人地方所得税の半分(52%)を占めていたサムスン電子の昨年の納付額は0ウォン。今年は516億ウォン(約52億円)を納付すると申告したが、2年前(1393億ウォン)の半分にもならない。今年の平沢市全体の法人地方所得税歳入は1581億ウォンと、2年前に比べ40.7%減少した。平沢市庁税政課の関係者は「減少分を補填するために滞納徴収を強化し、非課税項目に対する全数調査をする状況」と話した。

工場建設工事が中断すると、協力会社の法人税はもちろん源泉税、住民税、消費関連地方税も減少した。地域商圏と税収が同時に縮小する「二重打撃」だ。平沢商工会議所会員事業本部のコン・ジョンテク本部長は「昼休み時間に混雑していた高徳洞の食堂がサムスンの工事中断以降は活気を失い、商圏の沈滞が深刻化した」と話した。京畿南部圏の他の地方自治体も半導体業況に大きな影響を受ける。水原(スウォン)、竜仁(ヨンイン)、華城(ファソン)も昨年の「サムスン電子法人税0ウォン」の衝撃を避けることができなかった。

配管・設備・クリーンルームのような機械設備業界も同じだ。サムスン電子、SKハイニックスの国内工場建設現況によって業界上位圏企業の業績が大きく揺れる。大韓機械設備建設協会によると、昨年の全体受注額28兆ウォンのうち3兆3000億ウォン(11.8%)がサムスン電子だった。特に発注が減少すれば電気設備や配管工のよう学歴に関係なく技術で高所得を得て中産層に入ることができる「製造技能職雇用」が減る点が問題だ。対外経済政策研究院のチョン・ヒョンゴン研究委員は「先端産業の投資が中断したり遅延したりすれば半導体工場を建設できる高熟練現場人材の経歴が断絶する」とし「当面の建設雇用だけでなく中産層雇用と地域経済全体が打撃を受けたりする」と説明した。

最近、半導体業界の関心が集中するもう一つの地域は慶尚北道亀尾(クミ)だ。亀尾に本社がある半導体ウェハー製造企業SKシルトロンをSKグループが最近、売却対象に含めたからだ。SKシルトロンは2022年に亀尾産業団地に1兆495億ウォンを投資して300ミリ(12インチ)シリコンウェハー生産施設を拡充し、2026年まで約2兆3000億ウォンを投資する計画を明らかにした。しかし経営権が移る場合、投資中断や本社移転の懸念が強まる。

亀尾市の関係者は「亀尾は半導体完成品を生産する竜仁や平沢とは違い、チップ素材および部品を生産する特化団地」とし「このような特性を生かしてSKシルトロンが亀尾を離れないよう市レベルで支援する計画」と話した。



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