札幌市南区の動物園「ノースサファリサッポロ」の無許可開発問題を巡り、静岡県富士宮市は9日、運営会社「サクセス観光」と結んでいた同市のテーマパーク「富士花鳥園」(休園中)の敷地に関する賃貸借契約を解除したと発表した。同園はサクセス観光が経営権を取得しており、9月末までの廃業が決まったノースサファリの飼育動物の移転先候補と目されていた。
富士宮市によると、契約の解除は4月25日付。花鳥園の旧運営会社が1月に裁判所の破産開始決定を受けた後、経営権を取得したサクセス観光と市の間でいったんは敷地の賃貸借契約が締結されていた。
しかし、市街化調整区域内での無許可開発を始めとするノースサファリの法令違反が次々と判明し、サクセス観光は市に花鳥園跡地での動物飼育を打診。市が「大動物の受け入れは認められない」などと回答したところ、3月中旬に同社側から契約解除の意向が伝えられた。
富士宮市の須藤秀忠市長はこの日の記者会見で「ライオンなどの受け入れは考えられず、これで良かったと思っている」と述べた。
札幌市が4月23日に実施したノースサファリの立ち入り調査では、ライオンやトラなどの猛獣を含む計640匹・頭の飼育動物のうち、約4割がすでに別の施設に引き取られたことが確認されている。