脳ドックで発見率3%でも受けるべき?脳動脈瘤の治療がここ数年で大きく変わりつつある事情


【写真】脳動脈瘤の手術に使う器具

後編となる本記事では、比較的新しい治療法であるフローダイバーター普及の“壁”をどう突破したのか、5ミリ以上の瘤に使用可能な対応デバイスの登場以降、何が変わったのかを深掘りする。

■潮目を変えた5ミリ以上対応器具の登場

 フローダイバーターについても、WEBについても、日本脳神経外科学会、日本脳卒中学会、日本脳神経血管内治療学会の3学会が共同で実施基準を作成、手術を実施していい施設(=病院)、実施していい医師の基準を厳格に定めている。

 具体的には、実施施設の要件は、血管撮影装置を備え、いざというときのために常時開頭手術ができる病院であること。実施医の要件は、3学会から専門医の認定を受けていること、脳動脈瘤の血管内治療を執刀医として40例以上経験していることなどに加え、使用する機器のメーカー指定のトレーニングを受けていることなど。

 先行したメドトロニックが、実施医や実施施設の認定にかなり慎重だったこと、薬機法の承認上使用可能な部位がかなり限定されていたこと、何よりも使用可能な瘤の大きさが、10ミリ以上という、かなり稀有な症例に限られていたことなどから、実施医認定を必要と考える脳外科医の人数も限られた。



Source link