元NHKのフリーアナウンサー膳場貴子(50)が11日、キャスターを務めるTBS系「サンデーモーニング」(日曜午前8時)に出演し、「ひめゆりの塔」(沖縄県糸満市)の展示説明をめぐり「歴史の書き換え」などと講演で発言した内容を撤回した自民党の西田昌司参院議員の「ある発言」について言及した。
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西田氏は今月3日、那覇市で開かれた憲法改正に関するシンポジウムで、「ひめゆりの塔」に記された内容の「説明のしぶり」が、歴史を書き換えていると主張。7日の会見では、「切り取られた情報で、記者の思い込みで作られて報道が広がっていることに危うさを感じる」「私の意図とは無関係に切り取られた記事が誤解を生んでいる。そこは遺憾に思っている」と述べ、当該部分の発言撤回を否定したが、与野党で批判が強まり、9日の会見で、展示説明を「歴史の書き換え」などとした自身の発言について「非常に不適切だった。沖縄県民におわび申し上げ、発言を訂正、削除する」と述べた。一方で、発言の根拠となった展示説明を過去に見た主張については、「事実関係は私が申し上げた通りだと思っている」と主張した。
番組では1週間のニュースを振り返る中で、西田氏が発言を撤回するまでの一連の流れを取り上げた。これを受け、膳場は「注目したい点はもうひとつある」と述べた上で「西田議員は、問題の発言があったシンポジウムで『自分たちが納得できる歴史をつくらなければならない』とも語っている。自分たちが納得できる歴史とか、歴史をつくる、という部分に、西田氏の本音が透けて見えているような気がしますね」と、指摘した。
見解を求められたTBS出身のジャーナリスト松原耕二氏も「まさにそうだと思いますね」と応じ「西田氏は日本が侵略して戦争が始まって、米軍が解放したと、これを東京裁判史観だと言って批判している。そういうことが書かれた展示があったという趣旨のことを、記憶はあいまいですが、何度か繰り返していらっしゃる。ただ、事実関係としてはそういう展示は存在していない。沖縄では、めちゃくちゃな教育がされてきたというようなことを言っていたわけですが、それについては撤回しないというふうにも言っている」と指摘した。
松原氏は「沖縄の方に話を伺ったが、沖縄戦を体験した方は、たとえば旧日本軍が来て自分たちが『ガマ』に入るために住民を追い出したんだというような話や、米軍は優しかった、という話はいくらでもある」とも主張。その上で「戦前も戦後も、沖縄の方は軍に抑えつけられ、苦しんできたという記憶がある。西田氏はこの事実を知るべきだし、最後まで『歴史を取り戻す』というようなことは譲っていない。私は、そこにいちばん危うさを感じますね」と述べた。