年内妥結が見送られた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)交渉を巡り、インドが中国からの輸入を念頭に、工業製品など200以上の品目で緊急輸入制限(セーフガード)の導入を要求していることが22日、交渉関係者の話で分かった。インドは、中国からの輸入品に他の交渉参加国より高い関税を課すことも主張しており、中国は強く反発。交渉は一段と難航しそうだ。
インドは、関税削減による対中貿易赤字の拡大を懸念。セーフガードの品目を増やし、3年ごとに内容を見直すよう要求している。参加国は2020年中のRCEP協定署名を目指すが、インドは交渉に期限を設けない方針だ。
セーフガードは国外からの輸入品が想定以上に増えたときに関税を引き上げたり、輸入を制限したりする措置。11カ国で発効した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)で、日本も国内農業への影響が大きい農産物に設定したが、牛肉や豚肉、オレンジなどに限定している。(共同)