「何回も言った」「絶対に許さない」女性の父親怒り、遺族と警察の食い違う主張 川崎市20歳女性死体遺棄事件


【映像】白井容疑者のストーカー行為(実際の映像)

 そして12月には、12日間に9回も「元交際相手が家の周りをうろついている」などと、警察署に通報した。しかし警察は「岡﨑さんに事実確認のため、警察署に来るよう促したが、断られた。警察に対応を望んでいないと判断した」と主張する。一方で家族は、12月20日以降、行方がわからなくなった彩咲陽さんについて、ストーカー行為をしていた白井容疑者の関与を訴え続けた。

 また新たな事実も判明した。捜査関係者によると、12月26日の3回目の聴取で、白井容疑者が「12月12日から17日までの間、彩咲陽さんの家の前や勤務先の前をうろついた」と話したという。12月時点で本人がストーカー行為を認めていたことになるが、警察は公表しなかった理由を「捜査に影響があるため控えた」としている。そして行方不明になって約4カ月後、彩咲陽さんの遺体が発見された。

 なぜすぐ調べることができなかったのか。元神奈川県警捜査1課長の鳴海達之氏は、「慣れと先入観から、踏み込んだ捜査ができていない。交際が続いているのか、解消しているのか。交際が続いているならストーカー事案ではないと判断するため、踏み込めなかったのかもしれない」と推測する。

 彩咲陽さんの父親は「(警察には)何回もストーカーで捕まえてくれと言っていた」と語る。また白井容疑者の家族が1月中旬、「(白井容疑者が)事件に関与してしまったかもしれない」と警察に連絡していたことも判明した。

 これに対し、警察は捜査したとしながらも「岡﨑さんの行方について具体性がなく、行方の手がかりはつかめなかった」と説明。警察庁の楠芳伸長官は、「結果としてこのような重大事案になったことを重く受け止めており、今後の捜査を通じて、改善すべき点がなかったか確認していく旨の報告を受けている」と話した。

 彩咲陽さんの父親は、「捜査の方法が間違っているから娘は死んだと思っている。だから絶対に許さない」とコメントしている。

 鳴海氏は「遺族と警察に齟齬(そご)があるのは、警察がよく説明をしていなかった部分だろうと思う。ストーカー行為が実際に行われていて、彩咲陽さんが警察署に相談に来た。その時にストーカー規制法を使って警告しようと判断する。『相手に警告しましょう』と説明し、『お願いします』となれば、白井容疑者にストーカー行為をするなと警告できるが、これには(彩咲陽さん)本人の承諾が必要だ。(承諾を得て警告)できなかったことについて、家族にも説明しなければいけなかったのではないか」と考察する。

 そして、彩咲陽さんが最初に警察へ相談した時点から「ボタンの掛け違い」が始まっていると見ている。白井容疑者は12月時点で、彩咲陽さんの避難先である祖母宅周辺をうろついていた。「今までの経験上、この時点で彩咲陽さんを保護するべきだったという思いが一番強い。」「祖母宅に(白井容疑者が)来ているときに、(彩咲陽さんに)『警察に来い』と言っても無理な話だ。そこは警察署からパトカーなどを出して、彩咲陽さんを保護するというのが、本当の警察のやり方ではないか」と私見を述べた。

(『ABEMA的ニュースショー』より)

ABEMA TIMES編集部



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