〝並ばない万博〟の甘すぎた想定 東ゲート混雑、西は閑散 5500円の駐車場はガラガラ 万博展望㊦


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9日正午ごろ、人工島・夢洲(ゆめしま)(大阪市此花区)の会場にある西ゲート付近は、場内の喧噪(けんそう)がうそのような静寂に包まれていた。会場で唯一のタクシー乗り場があり、常時20台ほどが待機しているが、乗車する人の列がないどころか、来場者がほぼいない時間が続く。

ただ、客待ちのタクシーからは意外な声が聞かれた。「ここから乗る人は、新大阪駅や関西国際空港など遠方に行くので効率よく稼げる。客待ちを続けるのは退屈だけど、5組も乗せれば1日の売り上げノルマ3万円が達成できる」。男性運転手(30)はこう明かす。タクシー業界で、今や万博は人気の客待ちスポットなのだという。

■「来ないでくれと言っているようなものだ」

開幕から1カ月で見えてきたのは、閑散とする西ゲートに対し、東ゲートに来場者が殺到する偏りだ。会場へのアクセスの受け入れ口は2つのゲートで、大阪メトロ中央線が東、タクシーやバスが西となっている。

万博を運営する日本国際博覧会協会の来場者輸送計画では、市内からのアクセスも良い中央線を輸送の約6割としていたが、それ以上の偏りだ。タクシーは夢洲と市中心部の間を移動すれば料金が1万円近くかかることなどから、利用者は多くない。

自家用車で会場に向かう際に利用する「パーク・アンド・ライド(P&R)」も低調となっている。会場から離れた専用駐車場に自家用車をとめ、無料のシャトルバスに乗り換える方式で、夢洲の隣にある舞洲(まいしま)の専用駐車場は最大6千台超が駐車できるが、関係者は「開幕直後の平日は1割も埋まっていなかった」と明かす。

平日5500円の駐車料金が不評を買っており、利用した大阪府枚方市の男性経営者(52)は「料金が高すぎる。『万博に来ないでくれ』と言っているようなものだ」と吐き捨てた。

■USJでも3000円



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