アメリカ・ニューヨークで、アパートの中に閉じ込められていたとみられる40匹の犬が救出された。ニューヨーク市動物保護センター(ACC)が5月9日に発表した。
【画像】NYのアパートの中で押し込められた状態でみつかり、救出された多数の犬
ACCのプレスリリースによると、救出されたのは子犬から成犬までさまざまな年齢のベルジアン・マリノアで、アパートから一度も出されたことがなかったとみられている。
中には、新鮮な空気の入らないクローゼットや戸棚の中に押し込まれていた犬もいたという。
ACCのタラ・メルカド氏は、「犬たちは生まれてからずっと、完全に閉じ込められた状態で過ごしていたと報告されています。私たちは、成犬のマリノアが戸棚の中や家具の裏に押し込められているのを発見しました」と述べている。
ニューヨークポストによると、犬の飼い主はアパートから立ち退きを命じられており、刑事捜査が行われている。
また、アパートの部屋があった7階には悪臭が立ち込めており、飼い主がバルコニーから排せつ物を投げ捨てているのが頻繁に目撃されていたと報じられている。
近隣住民の一人は「ここはいつも悪臭がして、犬の鳴き声が聞こえていました。飼い主はバルコニーから糞を投げ捨てていました」とニューヨークポストに述べている。
別の住人は「犬を飼っているのは知っていたが、これほどたくさんいるとは思わなかった」と証言している。
ACCによると、救出された犬たちはひどく怯えた状態で、「社会性が欠如していて長期的な行動支援が必要」と判断された。
ACCの獣医師ビアナ・タミミ博士は「おそらく、犬たちは草の上を歩いたことも、リードを付けて散歩したことも、見知らぬ人に会ったこともないのでしょう」とコメントしている。
「すべての新しい音や人とのふれあいが彼らにとっては大きな刺激です。しかし、少しずつ好奇心を見せ始めており、私たちは希望を感じています」