「中居さんは、第三者委によるヒアリングが、かなり高圧的な調査だったと周囲に不満を漏らしていました」──そう語るのは、ある関係者だ。 元タレントの中居正広氏の代理人弁護士は5月12日、フジテレビなどが設置した第三者委員会による調査報告書に対する声明を公表した。
中居氏の代理人弁護士は声明のなかで、第三者委によって中居氏の「性暴力」が認定されたことについて、〈守秘義務にこだわらずに約6時間にわたり誠実に回答した中居氏の発言〉がほとんど反映されていなかったこと、〈中居氏は、当初守秘義務解除を提案〉していたが、〈第三者委員会から「2人の密室で何が行われたかが直接の調査対象ではない」との回答があった〉を指摘。また、〈日本語の凶暴な言葉の響き・イメージとは大きく異なるハラスメント行為まで性暴力に含めるWHOの広義な定義を何らの配慮もしないまま漫然と使用〉したとも批判している。
この主張について、同件を取材している大手紙記者が解説する。
「報告書では、守秘義務の全面解除に応じるX子さんとは対照的に、中居氏側が弁護士を通して拒否したと書かれていました。これだと自分にとって不利な話はしない、という態度にも見えて心証は悪いですよね。これに対して、中居氏側は、実際は自ら守秘義務の解除を提案したが、第三者委の方から『直接の調査対象ではない』と言われたと主張しているわけです。
一般的に考えて、調査にまつわる資料やヒアリング時の音声は記録されているはずです。第三者委の開示義務はありませんが、何が起きていたのかを明らかにすることは可能でしょう」
「性暴力」をめぐる議論
一方、「性暴力」の定義が広範であるため、中居氏の名誉が傷つけられたという主張については、さまざまな意見がある。第三者委による報告書が公表された翌日の4月1日、弁護士の橋下徹氏は「情報ライブ ミヤネ屋」(日本テレビ系)で、「性暴力」という言葉の使い方について「ものすごく粗い。雑だなと思う」と発言し、こう語っていた。
「WHOの基準で『性暴力』だという風に認定したんですが、今、我々の日本社会の一般社会で、この基準で、すべてが性暴力と語られているかというと、僕はそこに違和感を覚えます」
今回、中居氏側が主張している内容とほぼ同じだ。発言当時、被害を訴えるX子さんへの二次被害になるのではないかといった批判とともに、SNSには一定の共感の声もあった。