【衝撃】全米でのPFAS汚染の訴訟件数は1万件超!3M社、デュポン社だけじゃない…それでも日本で健康被害の訴訟が起こる可能性が低い理由


【画像】【衝撃】全米でのPFAS汚染の訴訟件数は1万件超!3M社、デュポン社だけじゃない…それでも日本で健康被害の訴訟が起こる可能性が低い理由

 国土交通省と環境省の調査によると、2024年度上期時点で国の暫定目標値であるPFOSとPFOAの合計で50ナノグラムパーリットル(ng/L)を超過した水道水はないが、環境省による2023年度の河川や地下水の調査では、22都府県の242地点で暫定目標値を超過した。

 世界的に見ても、PFAS汚染は深刻な問題であり、特にPFAS製造・使用工場、軍事基地、空港、消防訓練施設、廃棄物処理場などが「ホットスポット」となっている。米国、欧州、オーストラリアなどで高濃度汚染が報告されているが、検査体制の差もあり、汚染はより広範に及んでいる可能性がある。

 PFASの健康影響について、筆者はすでに「高まる不安、広がる誤解 化学物質PFAS報道の裏側」と「【PFASの健康リスクは小さい】誤解続く環境汚染と健康リスクの違い―最新の科学と報道の乖離」の2回にわたって解説したが 、改めて研究の状況、規制の状況、そして米国でのPFAS訴訟の状況と、それらの関係について解説する。

PFASの健康影響とは

 疫学研究としては、米国ウェストバージニア州のデュポン社工場周辺のPFOA汚染地域住民約6万9000人を対象として、05年から6年にかけて行われた、C8健康プロジェクトがある。その結果は、PFOA曝露と高コレステロール血症、潰瘍性大腸炎、甲状腺疾患、精巣がん、腎臓がん、妊娠高血圧症の6つの疾病との間に確率的関連があると結論付けている。

 これは相関関係がある可能性が高いことを示すもので、その後の科学・規制・訴訟に大きな影響を与えた。しかしこれは因果関係の証明ではない。



Source link