韓国に「司法の独立」なし、最高裁に“有罪認定”された李在明氏の裁判が“消滅”、大統領選の帰趨は決まったも同然


【写真】李在明氏の公選法違反容疑で無罪を言い渡した高裁判決について最高裁は破棄差し戻しの判断を下した。この事態に、朴贊大(パク・チャンデ)院内代表(前列中央)ら民主党の議員たちは最高裁に対し批判のシュプレヒコールをあげた

 李在明候補の選挙法違反容疑裁判に関し、これを無罪としたソウル高裁の判決を最高裁が破棄、有罪の趣旨で高裁に差し戻したのは5月1日のこと。これによってソウル高裁は裁判再開を急がなければならない状況に立たされていたのだが、あろうことか共に民主党の圧力に屈して裁判再開を選挙以後に延期することを決めてしまった。そればかりか、そのほかの李候補関連裁判まで相次いで選挙以後に延期されているのだ。

 これに加えて、共に民主党は李候補のための新しい法、すなわち「大統領は在任中に裁判を受けない」という刑事訴訟法の改正案を発議、あとは国会通過を待つばかりとなっているのである。

■ 無罪判決を破棄差し戻しされ絶体絶命に見えた李在明氏だったが

 5月1日、韓国の最高裁は、今や共に民主党の大統領候補になった李在明前代表の「虚偽事実流布疑惑」を無罪とした公選法違反の2審判決を破棄差し戻しした。

 大統領選挙に出馬した候補者が国民の前で繰り返して虚偽を述べていたにもかかわらず、ソウル高裁はこれを「表現の自由」とする論理で無罪を宣告していた。これに対して、5月1日の最高裁は、高裁の判決は法理に合わないと厳しく叱り、有罪趣旨の破棄差し戻しを決めた。このとき最高裁は「政治家の嘘は〈表現の自由〉より、有権者にどんな影響を及ぼすかをまず考えるべき」と宣告の理由を明かした。

 この判決で、再び裁判を引き受けることになったソウル高裁は「李氏は有罪」という最高裁の判断に従わざるを得ない立場に立たされた。さっそく高裁裁判部が5月13日を最初の公判期日に決めると、そのまま異例のスピードで裁判は進行されていくかに見えた。この時点では「大統領選挙前に高裁判決が出る可能性もある」との展望もあった。

 大統領選挙前に高裁で有罪判決が出れば、有権者の世論に大きな影響を及ぼすに違いない。また大統領選挙後に有罪判決が確定した場合は、仮に大統領選に勝利できていたとしても、後から「当選無効」とされる可能性が大だ。



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