公約実現遠く支持率陰り 元喜劇俳優のウクライナ大統領就任半年

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 【モスクワ=小野田雄一】ウクライナで元喜劇俳優のゼレンスキー氏が大統領に就任してから半年が過ぎた。公約に掲げた汚職撲滅や生活水準の向上で目立った成果は出ておらず、トランプ米大統領の「ウクライナ疑惑」も重なって支持率には陰りが見える。ゼレンスキー氏が「終止符を打つ」としてきたウクライナ東部紛争をめぐっては、来月9日に予定されるプーチン・ロシア大統領らとの会談が一つの山場となる。

■薄れゆく期待感

 ウクライナの独立系シンクタンク「ラズムコフセンター」が11月上旬に行った世論調査によると、「ゼレンスキー氏を信頼する」との回答は68%にとどまり、9月時点の80%から12ポイント低下した。「現政権は国の課題を解決できる」と考える回答者の割合も9月の41%から11月は29%に減った。

 支持率低下の背景には、就任から半年で当初の期待感が薄れたことに加え、政権に経験豊富な閣僚が少なく、公約実現の道筋が見えづらいことがある。

 政治経験の全くなかったゼレンスキー氏は今年春の大統領選で現職のポロシェンコ氏に圧勝した。ゼレンスキー氏は、ウクライナの宿弊である腐敗の撲滅、公共料金の値下げや賃上げによる生活水準向上、東部紛争終結を訴えて勝利した。

■経済も上向かず

 新政権の発足後、ウクライナ捜査当局は収賄や横領罪で官僚や中央銀行幹部らを起訴した。その半面、当局が“本丸”とみなすポロシェンコ氏や周辺については、国家権力乱用など10を超す容疑で捜査を続けているが訴追に至っていない。

 経済も上向いていない。天然ガス輸入価格の上昇を受け、11月のガス料金は前月比で14%超値上がりし、12月にはさらに20%高くなる見通しだ。

 トランプ米大統領が電話会談でゼレンスキー氏に対し、バイデン前米副大統領に関する調査を要求したとされる「ウクライナ疑惑」も逆風となった。ゼレンスキー氏は「(トランプ氏に)捜査介入を示唆した」と野党から批判を浴びる。

 ゼレンスキー氏が主導し、ウクライナ最高会議(議会)で審議されている農地売買の解禁法案も波紋を広げている。市場開放を求める国際通貨基金(IMF)の圧力も受け、政府は9月に法案を議会に提出した。野党は「外国資本に国土を売り渡す行為だ」などと法案を批判している。

■紛争解決へ山場

 ウクライナ東部では2014年以降、政府軍と、ロシアの支援を受ける親露派武装勢力の紛争が続く。プーチン氏との対話で東部紛争を解決するとしてきたゼレンスキー氏は12月9日、独仏首脳を交えてプーチン氏と初めて向き合う。

 露ウクライナはすでに実務者レベルで、(1)親露派が実効支配する地域で選挙を行う(2)その後、同地域に高度な自治権など「特別な地位」を与える-との工程表に合意した。その具体化に道筋を付けられるかが焦点だ。民族派や親欧米派は工程表について「ロシアを利する」と反発しており、ゼレンスキー氏は難しいかじ取りを迫られている。

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