毎年5月は自動車税の納付時期です。そこに車検が重なると、大きな出費がのしかかります。例えば、自動車税が4万3500円、車検費用が10万6500円、合計で15万円という金額になると、頭を抱える人も少なくないでしょう。
なんとか自動車税だけは払って、車検は翌月にずらそうと考える人もいるかもしれません。とはいえ、車検が切れたら車は公道を走れないため、車検場や整備工場にどうやって車を持って行こうかと悩むところです。
もしかしたらJAFが無料で持って行ってくれるかもしれないと期待する人がいるかもしれませんが、実際はどうなのでしょうか?
本記事では、自動車税と車検費用どちらを優先して支払うべきなのかに加えて、車検切れの車を移動する方法について解説します。
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自動車税と車検、どちらを優先すべきか?
自動車税と車検費用のうち、どちらかしか払えないのであれば、自動車税を優先的に支払いましょう。
車検を受ける際には自動車税の納付が必要です。しかし、車検月が5月の場合、前年分を納付していれば車検は通せるため、制度上は自動車税を支払わずに車検費用を優先できます。
それでも、優先すべきは自動車税です。理由は、自動車税は納付の期限と期限を過ぎた際のペナルティがあるからです。自動車税の納期限は毎年5月末日で、これを過ぎると翌日から1ヶ月までは年2.4%、それ以降は年8.7%の延滞税が課されます。
一方、車検費用には「満了日までに支払わなければならない」という決まりはありません。車検が切れても、それだけで違反になることはなく、公道を走行して初めて道路交通法違反となります。
したがって、どちらかしか支払えないのであれば、納付期限がある自動車税を先に支払い、車検費用が貯まるまで車を使わないという選択をするべきです。
車検切れの車の移動はJAFに頼める?
車検が切れた車を「JAFでレッカー移動してもらえばいい」と考える人もいるかもしれませんが、JAFは車検切れの車両を原則としてレッカー移動の対象にしていません。
理由は、JAFの利用規約に「自動車検査証の有効期間が切れている車両」はロードサービスの対象外と明記されているからです。例外として、「放置すると交通の円滑を阻害するなど、やむを得ない事情がある場合」に限って、自賠責保険の有効期間内であれば対応することもあるとされています。
例えば、車検切れに気づかずに走行してしまった人が、道路の真ん中でガス欠を起こして動けなくなった場合などは、ロードサービスで対応してもらえるかもしれません。しかし、自宅や月極駐車場に置いてある車が、この条件に該当するとは考えにくいでしょう。
大手の自動車保険会社も同様で、車検切れの車をロードサービスの対象外としています。
そもそも、車検切れの車をレッカー移動すること自体が、法律違反となる可能性がある行為です。というのも、一般的なレッカー車は前輪または後輪のどちらかを道路に接地させた状態で走行します。そのため、車検が切れた車をこの方法で運ぶと、「車検切れ車両の公道走行」とみなされ、違反となる可能性があるのです。