農林水産省は15日、政府備蓄米を集荷業者に売り渡す入札の参加条件として、放出した備蓄米と同量の買い戻しを「原則1年以内」としていることについて、期限を延長し、「5年」にする方針を固めた。
コメの価格が高止まりするなか、与党の一部から制度や期限の見直しを求める意見が出ていた。
農水省はこれまで実施した備蓄米入札の参加条件として、集荷業者に放出分と同量の買い戻しを求めている。その期限は「原則として売り渡しから1年以内」としてきた。
ただ、買い戻しの期限を「原則1年以内」としたことで、短期間で同量のコメを集めなければならず、コメの需給が逼迫(ひっぱく)するなか、集荷業者から負担が大きいとの指摘があった。買い戻しの期限を5年にすることで、多くの集荷業者が入札に参加しやすくなり、コメ価格が値下がりする可能性がある。
ほかに、入札要件に優先枠を設け、消費者まで届く流通網を有する業者に参加を促す案も検討している。【野間口陽、中津川甫】