政治ジャーナリストの青山和弘氏が政党や各界の論客をゲストに招き、日本の政治を深掘りする「青山和弘の政治の見方」。今回はゲストに自民党の小野寺五典・政調会長を迎え、「消費税減税の行方」「コメ価格高騰」などについてじっくり聞いた。
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【動画で見る】コメ価格、今までが「安すぎた」/消費税減税には約2年かかる?/価格高騰、流通経路に問題/コメを日米関税交渉のカードに?/社会保障の給付と負担/政治家の責任
■消費税減税を「赤字国債で賄え」は無責任
——参議院選挙に向けて消費税減税が大きな争点として浮上しています。石破茂首相も自民党の森山裕幹事長も減税には否定的な発言をしていますが、減税はもう検討しないという見方でいいのでしょうか。
消費税の議論は党内で正式に挙がっていないのですが、野党からの意見や自民党内でも参議院を中心にそういう意見があることは承知しています。ですから、党の中で税制調査会という専門のチームがありますので、ここを中心に消費税の勉強会が始まっていきます。
ただ前提として、日本の財政が豊かで余裕があるという状況ではないので、消費税を仮に減税した場合にその穴をどうやって埋めていくかをセットで議論しないといけない。
それを赤字国債で賄えというと無責任になりますし、消費税のうち交付税措置をするものも含めて4割が地方税ということで、国だけではなく地方自治体にも影響が出ます。こういうことを広く議論しようということです。
——議論するということは、その結果によって減税になる可能性もゼロではない?
今の時点では、石破首相が国会の中でも財源の問題が必要ということを言っていますし、森山幹事長も財源を含めてしっかり議論しなければいけないというような話をしているので、かなり議論が必要だと思います。
もう1つ、消費税の税率を変えるときには、まず法律を通し、その後周知する期間があり、レジの設定変更や値札を変えるなど、事前の準備がかなり必要になります。今までの例を見ると、早くても1年半以上かかりますので、物価高対策をすぐにしなきゃいけないというときに、実は消費税はなじまないということかと思います。